大阪市立デザイン教育研究所廃校問題

大阪市立デザイン教育研究所(デ研)は1988年、大阪市立工芸高校と接続することを想定した2年制の市立専修学校として、工芸高校敷地内に発足した。

一般の芸術系4年制大学では、普通科等を卒業した学生も対象にしているため、大学1・2年次は基礎学習をおこなう。これは、美術・デザイン系の専門高校を卒業した学生にとっては高校で学習した内容を再度学ぶことにもなる。このことから、工芸高校をはじめ高校で美術・デザイン系の専門学科を卒業した学生を対象に、高校での学習内容とスムーズに接続させて再学習の手間を省く形で、美術・デザイン系の学習・教育・研究をおこなうことが目的となっている。

2010年度に大阪市の事業仕分けの対象となり「民営化すべき」と判断されたものの、当時の市教委は「民営化は困難」として、民営化が撤回された経緯がある。

「事業仕分け」後の2011年に橋下徹大阪市長が当選した。橋下市長、および市長与党の「大阪維新の会」は、大阪市を廃止して大阪市域を大阪府の下の特別区に分割する、いわゆる「大阪都構想」を掲げた。

「大阪都構想」では、大阪府立と大阪市立の両方の施設があるものは「二重行政」として槍玉に挙げる乱暴な主張をおこなった。大阪市立学校にも「二重行政」の一つと難癖をつけ、大阪市立の大学・専修学校・高校・特別支援学校を大阪府に移管する計画が打ち出された。その際にデザイン教育研究所については、府に移管することなく廃校にするのが適当という方針があげられた。

大阪市教育委員会は2013年6月11日の教育委員会会議で、同年中に予定されていた次年度入試を中止して2014年度より募集停止とし、在校生が卒業次第廃校とする方針を打ち出した。

関係者にとっては全く突然のことであり、また次年度の受験を準備していた高校3年生が受験数か月前に受験校がなくなるという異例の状況であることも相まって、関係者から廃校反対運動が起きた。

廃校反対運動や市会からも廃校が拙速という指摘があげられたこともあり、2013年7月9日の教育委員会会議では、当初中止された2014年度入試は通常通りおこなうこととし、募集停止方針は1年先送りされることが決定した。

その後の学校関係者の廃止反対運動を反映し、さらに2015年度・2016年度の募集もおこなうことになった。

教育委員会は学校視察などをおこない、2014年7月8日、「廃止方針を当面撤回する」という方針を教育委員会として決定した。

しかし同日、橋下徹大阪市長が教育委員会方針に難癖をつけ、翌7月9日には教育委員会が再び方針を変更した。教育委員会は「2016年度までは市直営として学校を運営するが、2017年以降は別途協議する。市としての運営はおこなわない」という方針へと再び変えた。

大阪市教委は2016年4月26日、移管への準備期間が足りないことが判明したとして、2018年度の入学生を募集し、2019年以降民営化するスケジュールへと延期したと発表した。

スポンサードリンク
スポンサードリンク

フォローする