維新の教育施策、数々の問題点

大阪府や大阪市では、橋下徹(2008-2011大阪府知事、2011-2015大阪市長)が創設した「大阪維新の会」によって、社会生活や行政の各分野に深刻な被害が現れています。

教育をめぐる環境、また隣接分野ともいえる保育や社会福祉、学術や文化の分野についても、極めて深刻になっています。

大阪維新の会の教育施策は「強権的・トップダウン的」「新自由主義的」といった特徴があります。

※以下、【府】は大阪府政での政策、【市】は大阪市政での政策を示す。【府・市】は府政・大阪市政両方に係る政策を示す。

大阪府・大阪市教育条例

  • 【府】橋下徹大阪府知事特別秘書・河崎大樹氏(のち、大阪維新の会大阪市議を経て維新大阪府議)が2009年、府立高校の公募校長について「橋下の友人(中原徹)が応募する」と府教委に伝え、口利きと疑われるとして厳重注意を受ける。中原徹氏は2010年度に公募校長として採用。
  • 【府】府立高校公募校長・中原徹氏(のち大阪府教育長)、2012年3月の卒業式で、教職員が君が代を斉唱しているかどうかの「口元チェック」。
  • 【府】中原徹大阪府教育長、教育委員会事務局職員に対して、知事の看板を背景にして威圧的な言動を繰り返すなどのパワハラで、2015年3月に辞任。
  • 【市】2013年に市立学校で公募校長制度を導入。校長は原則公募としたが、「エリート教育ができないことなどが不満として3ヶ月で辞職(小学校長)」「保護者へのセクハラ(小学校長)」「教職員へのパワハラまがいの言動、生徒への不適切言動(中学校長)」など、外部公募者の問題が相次ぐ。
  • 【府・市】「教育基本条例」(府・大阪市とも2012年成立)による学校現場の締め付け強化。府・大阪市の教職員志願者が減少、他県に流出。

高等教育

高等学校

  • 【府】教育基本条例により、3年連続定員割れの学校は統廃合を検討
  • 【府】府立高校の統廃合計画(池田北、咲洲、西淀川、大正など)
  • 【府】府立高校の専任図書館司書を廃止。学校図書館体制の縮小
  • 【府・市】大阪市立高校の府立移管検討
  • 【府】大阪維新の会大阪府議団が2013年、府立高校の教科書採択について、国旗国歌法に関して「一部で強制の動きがある」と記述があった、実教出版の高校日本史教科書(2013~16年版)を採択しないよう府教委に申し入れる。
  • 【府】実教出版日本史教科書の採択を希望した府立高校については、他地域のように採択拒否にまでは踏み込まなかったものの、国旗国歌法の扱いについて府教委が特別に補助教材を作成して授業での使用を義務づける条件で採択した。
  • 【府】私立高校を府独自で無償化。奨学の理念自体は一概には否定できないものの、大阪府の制度設計においては公立高校潰しと一体で、公教育の縮小策となっているのではないかと疑問が指摘されている。
  • 【市】2012年12月に発生し、2013年1月に事案が公表された桜宮高校「体罰」自殺事件を口実に、橋下徹が主導し「体育科廃止」など強権的な施策を打ち出して混乱させる。橋下は「学校関係者というだけで全校生徒も教職員も共犯」扱いで「十字架を背負うべき」などと発言するなどした。
  • 【市】大阪市・公設民営「国際バカロレア」中高一貫校の設置検討。

高校受験

  • 【府】公立高校学区制の廃止(2014年度)
  • 【府】府下公立中学校に「チャレンジテスト」導入(2015年度)。1回のテストの点数で調査書の評定(いわゆる内申点)を左右する。当日のテストの点数が振るわない場合は、教師がつけた評定が、当日のテストの点数相当に応じた範囲にまで引き下げられることになる。また3年生については、学校の平均点によって教師が評定をつける範囲が指定され、生徒個人の評定も左右されることになる。
  • 【市】大阪市立中学校では、府のチャレンジテストに加えて、「大阪市統一テスト」も実施。当日のテストの点数で評定の点数が指定されることに。

小中学校

  • 【府】大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件(2001年)を受けて導入された学校警備員制度の廃止。
  • 【府・市】橋下徹大阪府知事は、大阪市への学校給食への財政補助を拒否。
  • 【市】全国学力テストの学校別成績公表・
  • 【市】市立小中学校での学校選択制の導入(2014年度)。市民からの反対や疑問の声が多数だったにも関わらず押し切る。
  • 【市】学校選択制の資料とする学校紹介冊子に、全国学力テストの学校別平均点や進学先高校名などを記載。テストの点数や進学状況が学力の全てとして一面的に扱われる恐れ。
  • 【市】市立中学校給食問題。前市政が予算をつけ2012年度から開始。選択制の弁当給食だったものの課題が出て利用率が低迷、橋下市政下で課題には向き合わないまま全員給食を強制するだけで「おかずが冷やされた状態で出てきておいしくない」「量の調節ができない」など生徒からの不満を拡大させた。橋下や市教委は「ふりかけをかければいい」などと見当外れの施策ばかり打ち出した。
  • 【市】大阪維新の会大阪市議団は2011年教科書採択の際、極右的な育鵬社・自由社教科書が「最もふさわしい」として申し入れをおこなう。
  • 【市】教科書採択区域を従来の市内8ブロック制から全市1区に統合(2014年度)。育鵬社教科書採択への布石とみられた。
  • 【市】2015年中学校教科書採択で、育鵬社教科書の採択。採択の際に不正疑惑があったことが指摘される。
  • 【市】市立小中学校の大幅な統廃合構想。3分の2程度に減らすとしている。
  • 【市】生野区では他区に先駆けて具体的な学校名をあげ、区西部の小学校12校・中学校5校を小中連携の小学校4校・中学校4校に大幅再編する構想も打ち出された。地域住民からは反対の声が上がっている。
  • 【市】学校統廃合に伴って、エリート型の小中一貫校の設置を構想。維新市政以前の小中一貫校構想は(小中一貫校制度そのものに対して教育学的には論議があるとはいえども)、小中連携の取り組みの延長として計画されていたものだったが、その構想を変質させる。

特別支援教育

  • 【府・市】大阪市立特別支援学校全校を大阪府へ移管(2016年度)。

幼児教育

  • 【市】大阪市立幼稚園・保育所の全廃構想。大幅統廃合と民営化の方針。
  • 【市】幼稚園廃止を一度にするのは無理と判断して、できそうなところから少しずつ個別の幼稚園の廃園計画を出したが、対象となった園の関係者からは強い反対運動が発生(西成区・津守幼稚園、淀川区・新高幼稚園、西区・西船場幼稚園など)。
  • 【市】西区・西船場幼稚園では、「地域の児童数急増と将来的な増加傾向が止まらないと見込まれることにより小学校の増築が必要として、小学校に併設する幼稚園を廃止して敷地を確保する」という策を打ち出し、保護者や地元住民から強い反発を受ける。

保育・社会福祉

  • 【市】国基準より余裕を持って設定されていた、保育所園児1人あたりの保育面積基準を、国基準以下に引き下げる条例を制定。同じ面積の施設に多くの児童を収容する「詰め込み保育」が可能となり、狭い空間に多くの児童がいることで児童が交錯しあって事故が増加する危険性・児童への心理的悪影響・保育者の目が行き届かないなどの弊害が指摘される。
  • 【市】人的にも施設的にも簡易な基準で認定する「保育ママ」制度の導入。
  • 【府・市】松井一郎大阪府知事(維新共同代表)・吉村洋文大阪市長(維新政調会長)が合同で、国基準より大きく下げた保育基準での保育を可能にする「保育特区」を国に求める(2016年)。
  • 【市】維新市議、大阪市会の教育こども委員会の質疑で、保育・待機児童問題について「保育士資格はないが、十分な育児経験や知識を持つ方を柔軟に活用」するよう求める(2016年3月23日)
  • 【市】大阪市北部児童相談所新設問題での混乱。北区の市所有の分譲マンションの一角(元市施設跡地)の「タワマン児相」を第一候補地とした計画に固執して混乱を招く。住民や市議からは、「相談者のプライバシーが守りにくいこと、建物の日照条件の悪さや、運動場など児童にふさわしい施設がないことで、子どもの環境としては不適切ではないか」「担当予定区域の端にあり既存の児童相談所にも近いことで非効率」「当初候補にあがっていたが撤回した淀川区の元市施設跡地を改修したほうが費用としても安くあがるし、グラウンドが隣接していて子どもの生活環境にもよい、相談件数の多い地域にあり駅からも近く相談者の利便性があるなど、よりふさわしいのではないか」と指摘され、2016年12月に計画を撤回。候補地の再選定に伴う開設遅れを招く。また教育こども委員会所属のある維新市議は、住民からの要望に対して恫喝し、「クレーマーから理不尽な要求を受けた被害者」気取りでツイッターで騒ぎ、ツイッター界隈の狂信的な維新支持者(いわゆる「信者」)も同調して攻撃。

社会教育・学術・文化ほか

  • 【府】府立青少年会館を廃止(2009年)。土地は長谷工に売却し、分譲マンションに。
  • 【府】府立国際児童文学館の閉館(2009年)。東大阪市の府立中央図書館の一角に移転
  • 【府】大阪センチュリー交響楽団への府からの補助金を減額(2009年度以降)
  • 【市】天王寺動物園、市外在住小学生の有料化(2013年)。
  • 【市】天王寺動物園を「レジャー施設」かのように扱う。また予算を減らしたため、飼育動物の数を減らさざるを得なくなり、今いる動物が死んでも新しい動物を補充しない、譲渡できる動物は譲渡するといった方法で動物を減らす方向に。
  • 【市】大阪市音楽団の一般社団法人化、市直営としては廃止(2014年度)。
  • 【市】水道記念館の休館。同館で繁殖させていた淀川水系の天然記念物・イタセンパラの繁殖断念を余儀なくされる(2015年度)。
  • 【市】大阪南港野鳥園について、公園管理や来園者向けの野鳥の解説のために常駐していた係員を廃止し、無人化(2014年)。
  • 【市】ピースおおさかの展示に「自虐史観」非難の立場から難癖をつけて、変更を求める。
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