2016年2月23日 大阪市会教育こども委員会議事録(1)

西崎照明市議(公明)の質疑

◆西崎照明委員 公明の西崎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私のほうから陳情第14号につきまして質疑をさせていただきたいなというふうに思います。
 その前になんですけれども、本日の報道によりまして、これも昨晩になるんでしょうが、昨晩の23時7分の時間帯で「同一文面で育鵬社支持、大阪市教科書アンケート、動員か」というような、これはインターネットによります共同通信の記事が配信されております。そしてまた本日、朝刊では神戸新聞が同じ題で「大阪市の教科書アンケート、育鵬社支持、動員か」というようなことで新聞報道もされておるところでございます。
 この陳情、先ほど教育長から見解について伺いました。そこでは、教科書センターにおけるアンケート数で決める方式が採用された事実はなく、教科書採択についてはアンケートが決め手になるという事実もないということでありました。昨年8月5日の教育委員会会議の場で歴史・公民の採択が行われる直前に、事務局からアンケート集約結果の報告がなされたのはなぜか、これがまず1点、お聞きしたい点。
 そしてまた、アンケートには歴史・公民以外にも項目があるにもかかわらず、この歴史・公民以外の教科の採択の前には報告はありませんでした。これは歴史・公民の教科書採択に関してアンケート結果が大きくかかわることを示しているんではないんかなというふうにも思います。これが示されたんではないでしょうか。大変大きな問題であるというふうに思います。これから採択に入ろうとするときに育鵬社に賛成する意見が約7割などと報告したことで、教育委員に先入観を与えたんではないかなというふうな推察もされます。これでは、公正かつ適正な採択が行われたとは言えないんではないか。教育委員会の見解といいますか、加藤指導部長も会場に行かれてたんでしょう。答弁をお願い申し上げます。

◎加藤教育委員会事務局指導部長 お答えさせていただきます。
 アンケートの集計、集約結果につきましては、専門調査会、選定委員会、教育委員会に対しまして、調査研究の段階で参考として提示いたしましたが、採択に当たりましては、選定委員会が作成した答申を参照しながら、教育委員会がみずからの権限と責任において公正かつ適正に採択を行いました。アンケートの集約結果から各教科書センターで閲覧されました教科書のうち歴史・公民の閲覧者数が非常に多く、この2つの種目に対しまして保護者や市民からのアンケートの回答数も多くございました。そこで8月5日の教育委員会会議の場で、委員よりアンケート集約結果について報告するよう指示がございました。歴史・公民の採択に当たり集約結果を会議資料として配布するとともに、事務局より説明いたしました。
 なお、集約結果につきましては、採択後には直ちに本市のホームページにも掲載いたしましたところでございます。以上でございます。

◆西崎照明委員 まず一つのポイントになるかと思うんですけれども、歴史・公民の閲覧者数が非常に多くて、この2つの種目に対しては、保護者や市民からのアンケートの回答数も多くあったということ、これ1つ。そしてまた報告するような指示があったので報告したということですね。それで、実際に10月5日の教育こども委員会において、現場教員の声がどれだけ実際に反映されているのかということをお尋ねしたところ、教育委員会からは、選定委員会は専門調査会の調査結果及び学校調査会の調査集約結果並びに教科書展示会場において実施された市民アンケート集約結果について報告を受け、これらを参考にしながら答申を作成したという御回答を得ております。私はそのときに、アンケートは人を動員すれば結果が変わる怖さがあるということを指摘させていただきましたが、この陳情書が事実であるならば、私が危惧していた事態が生じたなというふうに言えます。
 このように殊さら市民のアンケートの結果を踏まえているということは、やはりアンケートの結果を採択と結びつけているというふうに感じてしまうんですね。この件について、山本教育長はどう思われますか。

◎山本教育長 お答えをいたします。
 まず、こういうことのアンケートになりました教科書の展示の件につきましては、これは文部科学省から「平成28年度使用教科書の採択について」という通知をいただいて、その中で「採択により広い視野からの意見を反映させるために、保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実に努めること」とございまして、広く市民や保護者の方々に教科書に対する興味・関心を持っていただくことを目的に、市内32カ所の教科書センターでこの教科書展示を実施いたしております。それから、そこで行いましたアンケートに関しましては、大阪府教育委員会から、教科書展示会の開催に当たって感想等を記入するノートや意見箱を設置するなど、来場者の意見を聴取する工夫をお願いするといった通知を受けております。このため、これに沿って来場者の意見を聴取するために実施をいたしたものでございます。
 先ほども申し上げましたところでございますけれども、ここから得られましたアンケートの集約結果につきましては、専門調査会、選定委員会、教育委員会に対して調査研究の段階での参考として提示をいたしておるところでございますけれども、採択に当たりましては、選定委員会で策定をいたしました答申を主に参照しながら、教育委員会がみずからの権限と責任において公正かつ適正に採択をいただいたものというふうに考えておるところでございます。

◆西崎照明委員 公正かつ適正に採択を行ったということでございます。
 委員長、資料の配付を許可をお願いしたいんですが。

○広田和美委員長 西崎委員より、質疑の参考に資するため資料の配付の申し出がありますので、これを許します。

◆西崎照明委員 今、配付させていただきました資料なんですけれども、これは陳情されていらっしゃいます方が教育委員会事務局に開示請求をされて、そして入手した、教育委員会がみずから参考にしたと先ほど認められましたアンケートの写しの一部です。4枚ちょっとつけておるんですけれども、1枚目、2枚目、これが図書館での資料、そしてアンケート。そしで3枚目、4枚目がこれ区役所用のアンケートになっております。私、筆跡鑑定なんていうのは当然、素人で何もわかりませんし、いいかげんな言い方で申しわけないんですけども、これぱっと見たらやっぱり、例えばこれ一般の方の市外在住の方なんですが、この泉大津市という字をぱっと見ても同じような字ですし中、見ていただいても同じような字が並んでおります。3枚目、4枚目も同じような内容なんですね。
 このようなアンケートを見ながら、フジ住宅との関係というのは明らかではまだないものの、この自由意見欄の内容が酷似しておりまして、また複数の教科書センターで同一人物ないしグループが記入したと思われますこのアンケートが投函されたということが、この資料からもうかがえるところでございます。
 この写しにはこの陳情者が問題視していらっしゃいます出版社に対する肯定的な意見が述べられておるものをコピーしたんですけども、同じ出版社について否定的な意見についても当然、同じ人物で出されてるということもあるやろなということは想像されます。また、8月5日の教育委員会会議において、歴史・公民の採択に当たり、アンケートの集約結果を教育委員の求めに応じて事務局が報告されましたけれども、大森委員長、きょう来ていただきましてありがとうございます。大森委員長は同一人物が記入したと思われますアンケートが多数含まれているということを採択の時点で把握していらっしゃったのかどうかお尋ねしたいと思います。また、選定委員会が答申を作成するに当たりまして、学校調査会や専門調査会の調査研究結果について数値化は行わなかったにもかかわらず、なぜこのアンケートのみ数値化したのか、その理由もあわせてお答え願いたいと思います。
 その前に、もう一つ配らせていただきましたアンケートの見本、これ写し4枚しか配っていないんですけれども、実は見せていただいた、預かった中には、市内在住のこの4枚の分、実は24枚ほど全く同じものがこういうふうにございます。と同時に、これは市外分の一つの例、そしてまた一般の大阪市内の方の例とかこのような形で10枚、24枚、何枚というような同一人物じゃないかなと思われるグループというのが19枚、20枚とこういうふうなんがあったというのも見させていただいております。委員長、答弁よろしくお願い申し上げます。

◎大森教育委員会委員長 お答えいたします。
 委員長、つまり私が同一人物が記入したと思われるアンケートが複数含まれていることを採択の時点で把握していたのかどうかとのお尋ねがありましたので、ありのままお答えいたします。もちろん把握しておりませんでした。採択に当たりましては、事務局からもアンケート結果に関する不審な点についての報告は全くございませんでした。
 本件アンケートの実施につきましては事務局のマネジメントに委ね、教育委員は結果の報告を受けたのみでございます。こういったアンケートの実施方法の詳細についてまで非常勤の委員が検討、審議すべき事項かどうかというのは御理解いただけるんじゃないかなというふうに期待しております。
 また他方、そのアンケート実施後に教育委員会として全市的にアンケートを実施した以上は、これを集計して結果を広く一般に公表するということは、市民に開かれた行政として当然のことであろうと考え、我々への報告のみならず公表に至ったということでございます。

◆西崎照明委員 把握はしておられなかって、そしてまたそのとき報告もなかったということが一つでございます。実際このアンケートを数だけを数えて報告して、実際、精査は何もしていないというような状況がうかがえます。重要な意味を持つアンケート調査であるにもかかわらず、俗にアンケートをするときにある住所、氏名、年齢とか性別等の記入も求めずに、また用紙の持ち帰りや会場外での記入、同一人物の重複回答などを事実上、容認しております今回のこのアンケートは、やはり問題が山積しておるなというふうに思わざるを得ないんですね。
 会社というところ、グループ等が本当に絡んでいて組織的動員がされたんか、また大阪市はこのアンケートが重視されるでというような情報が流れたのか、重視したのかどうか、流れたとすれば誰がそのような情報を流したのか、責任はどこにあんねやというようなこと等々、アンケートに不正があったのかなかったのかとかいうような責任の所在はどこなんだというような調査をして、そして次に生かす必要があると考えるんですけれども、大森委員長のお考えはどうですか。

◎大森教育委員会委員長 お答えいたします。
 今回の教科書採択は、採択権者としての教育委員会の権限と責任において公正かつ適正に実施され、アンケート結果が決め手となったなどという事実はございません。また、事前に何かしらそのような情報があるというふうな、もちろん情報ではなくてうわさと言うべきなんでしょうけれども、そういったうわさは一切耳にしたこともございません。
 一言で言えば、西崎委員御指摘のとおり、この種のアンケート、いかなる方であろうと回答の機会が開かれているというアンケートにおきましては、一般論として申し上げますと組織的な動員などの可能性は排除することができません。現実にその今御指摘いただいたような組織的動員は起こったのかもしれないと理解しております。
 なお、その後、事務局のほうで調査したところ、この育鵬社に対して肯定的な意見のみならず、否定的な意見につきましても、西崎委員御指摘のように同一人物による複数投函が疑われるような事例がございました。ということで、この本件アンケートはこの種のアンケートとしては通常の方法で行われたものでありまして、そういったことで、その組織的動員といったものを排除することはできないということは前提に考えるべきかなということで、これはこの種のアンケートとしてはやむを得ない面もあって、教育委員会としての瑕疵はないんではないかというふうに考えております
 これは、本件陳情にかかわるその当該株式会社とその社員の行動についても、これは既に報道されてるところによると、その裁判にもかかわってるようなお話のようで、これは私ども教育委員会は全く関知するところではないんですけれども、我々教育委員会がその調査すべき類いの事項ではないんではないかというふうに考えておるところでございます。一言で言えば、正直この陳情書を拝見したときに、なぜこのような、あえて言いますがとっぴな主張の陳情書が出てきたのかなと驚いたわけでございます
 要するに西崎委員が御懸念になったように、この種のアンケートでどっちが多いかとか数数えて、その多数決みたいな話でやってないことは当然ですが、仮にそんな多数決的発想でもってやったら、それはもう市民あるいはその関心を持つ方々、保護者の方々とかの平均的なあれがそこで出てくるという保証は何もないわけでございまして、特に本件につきましては非常に教育論というよりは政治的な視点から非常に各種の運動、活動というものも行われていたものでございますので、その結果でもって我々教育委員がこの教科書の採択について判断するというようなことは、これはあり得ないことでございまして、ですからこの陳情書を見て驚いたということでございます。
 そういうことで、このアンケート、もうちょっと言いますと、これ例えば住所、氏名書かせるとか、あるいは持って帰らせないように誰か見張りつけるとか、そういったことも物理的には可能である、人手がかかりますが、人手とコストの問題はございますが、可能ではありましょうが、他方でそうすると思想信条や内面にかかわるような、特にこの社会科の場合はそういう面が強うございますので、心理的な圧迫を与えるという面もございます。ですから、こういったアンケートについてどうしたらいいというのは慎重な検討が必要だとは思いますが、したがいまして今回のアンケート実施について教育委員会、委員も事務局も含めて瑕疵があったというふうには全く思っておりません
 ただし、次回以降の教科書採択に際して、そのアンケートの実施方法の詳細、今よりもよい形でということはあり得ないかどうかという見直しの必要性ですね、そういったものがあるかどうかは検討すべきではないかというふうに私は考えております。ただ、この点につきましては他の教育委員との議論をまだ経ておりませんので、この場では私の考えとしてアンケートの、次回以降の採択に際してのアンケートの実施方法の詳細については見直しの必要があるかどうかを検討すべきではないかと私は考えております。
 本件陳情を受けまして、私のほうは事務局に対しまして、アンケート用紙の持ち帰りを認めていたのかどうか並びに教科書展示場において監視は行われていたのかどうか問い合わせました。すると事務局の回答は、監視役は特に設けておらず、またアンケートを持ち帰ることにも特段の制限はなかったということでございます。見てないんですから、当然、持ち帰ろうと思えば持ち帰れるわけでございますけれども、この点について先ほど申し上げましたように、その記入のところを誰かが見張ってるということのよしあしですね、そのバランスの問題というのはあろうかと思います。
 ですから、今回のやり方に瑕疵はなかったと思いますが、よりよいやり方というのがあるかどうかということを、こういった事案が、私ども全く教育委員会が関知しないことではありますが、この陳情書にあるような事案が事実であれば、次回以降の採択に向けて検討する必要はあるかなというふうに考えております。早速、私のほうから事務局に対しましては、ほかの自治体におけるアンケートの実施方法について調査するよう指示したところでございます。その調査結果を待ちまして、教育委員会として次回以降の採択に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。

◆西崎照明委員 非常に長い答弁をいただきましてありがとうございました。長かったんですけども、一言でまとめれば調査の必要はないという答弁でございましたが、到底、私自身は納得できない答弁でございました。信頼性や妥当性が担保できていないアンケート結果を参考にして答申が作成されたばかりか、この採択の直前に集約結果を数字で報告されて、陳情者が指摘するこの特定の出版社の採択に導くよう教育委員の判断を恣意的に操作しようとしたのであれば、これは物すごい大きな問題やなというふうに思います。
 組織的な介入を受けたアンケートの結果を重視する余り、教育の中立性というものが損なわれればもう全く話にならない。中立性を損なうことは決してあってはならないと。中立性を保つということは、これは教育の王道であるというふうに私は思っております。児童生徒に対しまして指導の角度が少しでも右や左に傾きますと、将来その子の角度はどんどんどんどん広がっていくわけでございまして、アンケートの不正と言ったらあかんかもわかりませんけれども、アンケートの不正の有無に関する徹底的な調査をやっぱりするべきだというふうに私は要望をさせていただきまして、質疑を終えます。

大阪市育鵬社教科書採択問題
大阪市会質疑(議事録) 2015.10.5 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2015.12.3 佐々木哲夫(公明)
2015.12.10 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.2.23 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.3.23 北野妙子(自民) – 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
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