2015年10月5日 大阪市会教育こども委員会議事録(2)

江川繁市議(共産)の質疑

◆江川繁委員 日本共産党の江川でございます。
 私のほうは、まず陳情第77号、中学校社会科教科書採択制度の問題について質疑をさせていただきます。どうも高尾委員、出席ありがとうございます。もう副市長来られると思いますけど、まだ。おっつけ来られると思いますんで進めたいと思います。
 まず、この陳情書にも書かれておりますが、高尾委員について大きな疑念があるということの指摘があります。そういうわけで、高尾委員に直接お聞きしようということで来ていただきました。また、大森委員長は何かいろいろな用事があるとも聞いているんで、教育委員会の会議の中でいろんな制度の改定について行われたことについても直接聞けたらというふうに思っております。
 まず、この陳情書にも書いてありますし、私ども教育委員会等はよく傍聴しておりますので、高尾さんについてはいろいろ承知をしているところでございますが、産経新聞のグループの役員を歴任されていたということであります。このサンケイグループと、例の今度採択された育鵬社、育鵬社というのはいわゆるサンケイグループの100%出資の子会社だというふうに私は把握しております。そういった意味では、この採択に当たって、大変利害関係が生じる、そういった方については、やはりこういった採択のときには公平公正を敷く上ではなじまないのではないかと、こういった指摘がされております。そういった意味で、そのことについて高尾委員にどのように思われているのか、まずお聞きいたします。

◎高尾教育委員会委員 江川さんにおかれましては、非常に熱心に委員会を傍聴していただきまして、日ごろから敬意を持っているところでございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 御質問に対して、できるだけわかりやすく、また丁寧に御説明を申し上げたいというふうに思います。
 まず、お尋ねのところで、私の経歴についてお尋ねがありました。それについて申し上げたいのですが、産経新聞の取締役を退任しましてから現在に至るまで7年が経過しております。その後、6年の嘱託、それから現在は無職と、こういうことでございます。
 私は4年間、産経新聞の取締役を務めたことは、これは間違いありません。これは、端っこの取締役ですけど、ともかく取締役を務めた。その後、やめた後、7年前、それ以降について私は産経新聞社の経営について全く関与してません。嘱託というのも、世間一般で言われる嘱託ということで御理解いただければいいのではないかと。決して経営に関与することはありませんし、経営に関する会議に出席するということもありません。
 ここで、よりわかりやすいために御説明したいんですが、私が最初に教育委員になる前の教育委員は毎日新聞社の御出身でした。大体、メディアというのは社論というのを考えます。新聞社として、メディアとしてこの問題に対してどういうふうに対処していくのか、方針を決定します。そこには、当然メディアとしての見解があったはずなんです。でも、教育委員に議会の承認を得てなった途端、みずからの務めている会社の主張を実現する、あるいは利益を図る、そういうことのために職務を遂行すると思いますか。私は、私の前任の毎日新聞社の出身の方がそんなことをやられたと思ってない。明確に、これは職を離れたら、そこには一人格として、全人格、識見をかけて教育委員会委員としての職務を遂行する義務がある。私はそう思ってます。
 それから、今ちょっとグループというふうなことで会社について誤解された表現があるようですけども、説明したい。
 教科書を出版するのは育鵬社という会社です。育鵬社は扶桑社という会社の子会社になっています。扶桑社というのは、フジ・メディア・ホールディングスという会社の子会社になっているんです。こういう関係があるんです。そのフジ・メディア・ホールディングスというのは産経新聞社の株を所有してます。ただし、議決権総数の過半数を超える等、当該会社を支配するものとして法務省令で定められた企業、法人ではないんです。つまり、そこには親会社・子会社という関係は存在しない。支配・従属という関係は存在しないんです。あくまでも1対1の存在なんです。これは明確にしておきたい。
 一方、地方教育行政法、これによると、議事から除外される明確な規定が置いてある。どういうふうに書いてあるか。みずからや一定の親族に関する事件、またはそれらの者が行う業務に密接な利害関係を有する事件、これだけになっているんですよ。ここには、間接的な利害関係であるとか、因果関係がつながっていく反射的な関係というのは含まれてないんですよ。これは私が、先ほど説明した私の経歴、会社の関係、これから見て直接的な関係と言えますか。私はこんなものは言えないと思う。7年前に経営に参加したということを捉えて、こういう職務から排除するというのは、私の出自に対する差別ですよ。こういうことがあってはならないと思っているんです。
 それから、さらに直接・間接に協力する重大な疑惑があるとおっしゃいました。これについて、私説明しますよ。
 これまで、陳情書その他を見ると、私がある雑誌のインタビューに応じたということが非難されています。でも、恐らく公正のために江川委員からそのことについて資料が配付されていると思うんですけども、お手元の資料のどこに育鵬社を私が支援するとか、頑張れとか、特別の手心を加えるとか書いてありますか。そんなことは全く書いてないですよ。そんな問題じゃない。これ、一番最初、教育関係の2条例ができた。これについて、私はまだまだ皆さんに、多くの方に知ってもらって理解を得る、あるいは議論を起こす、そういうことが必要だと考えたんですよ。それで、インタビューに応じたんですよ。
 あと、学校選択制であるとか、区長の行政への参画であるとか、あるいは今回の教科書の採択の制度は変わったと、そのことについてきちん説明しておかないといけない。そういうことの点からやったんですよ。
 もちろん、よく御存じだと思うんですけども、やっぱり教育制度というのは、まず何をしたか、何をしようとしているか、きちんと説明しないといけない。説明して、理解を求めて、議論を起こして、議論の中から私どもがしっかりとそれを受けとめて、議員の先生方もさまざまに受けとめられると思う。それを受けとめて、さらによりよい教育行政というのを目指していく。こういう姿勢が不可欠なんですよ。そのための大きな目的ですよ。
 それと、私はただインタビューを受けたというんじゃない。必要な配慮をしているんですよ。まず、その雑誌、前のやつを送ってくださいということで送って、それを私、見ましたよ。いろんな方が書いておられる。国会議員も書いておられる、著名な学者先生も書いておられる、現場の先生も登場しておられる。少なくとも、これは江川さんの目指す教育の方向とは180度、もう1回転して180度のあれとは違うかもしれません。でも、その持たれてる関心は、これは疑いようがないことですよ。その人たちの前に大阪市の教育行政はこんなことをやろうとしていますよ、理由はこうですよ、こんな問題点があるじゃないですかということを訴えかけて理解を求めるというのは、これは当たり前のことですよ。
 それから、さらに、私は編集者にお願いした。このインタビューをねじ曲げて使うことがあってはならんと。そんなことはやめてくれ、そうなったら絶対やめる。それから、でき上がった冊子についても不正な使い方は、私の思っている趣旨から離れるようなことは絶対やめてくれと言いましたよ。わかりましたと言いましたよ。それから、さらにゲラを見せてくれと。でき上がったら、俺は責任を持ってそれを点検したいということで、ゲラをやって何度もやりとりしましたよ。さらに、ゲラの中でも見出しと言われるのは、編集権、その編集を担当する者が大体持つ権限なんです。でも、私はその見出しについても見させてくれと。妥当でなかったら直させてくれというふうに言ってますよ。そういった中で、私はあの雑誌の中で登場したわけなんですよ。
 もともとこういうものに対して表現の自由、言論の自由を奪うというのは、これは民主主義の根幹を侵すことですよ。教育委員の口を縛ってどうするんですか。本当の健全な教育行政の発展のためには、尽くすべき道があるはずなんですよ
 それから、次に手続面についてもおかしいんじゃないかというのがたくさん言われてます。ここへ出てきます。でも、これについても私もきちんとやりましたよ。ほかの委員の皆さんのところに、私は今、こういう立場にある、こういう批判も寄せられている。私の経過はこうだ、こういう立場と経歴を経てきて、雑誌にこういう経過で、こういう目的で、こういう対策をとってそのインタビューに応じた。
 さらに、事務局に対して、私に対して徹底的なリーガルチェックをやってくれと、法的なチェックをしてくれと、もしおかしかったら、それは正直に言ってくれと言いましたよ。その上で、ほかの委員各位に私は説明をしたと。その私が、この議事に参加してよいかどうかは皆さんの手に委ねると、皆さんの判断に従うとこう言ったんです。その後、多分それは検討されたところですよ。委員長のほうから参加してもよろしいというお話をいただいたので、私はそこに参加したんです。私は了解を得ていると。
 それから、前回の採択についても言われているんですが、そのときも私はきっちりと立場を申し上げて、ほかの委員の方に立場を申し上げて、それから同様にリーガルチェックしてくれと事務局にお願いしました。事務局のほうは、リーガルチェック、何かおくれてたんですね。だから、私の判断で私が3人の弁護士先生にこれどう思うかと意見を聞いたんです。問題ない、むしろやりなさいという話だったから私は参加した
 私の職務はそう単純なものではない。例えばこういうふうな結論が出て、法的に問題がない、委員長からもそれはオーケーだという私は知らせを受けた。その中で、私が保身を図るために、こういう追及を受けないために、怖いから、その職務から逃げたらどうなりますか。これは、同様に地方教育行政法の7条に決まっている。義務の違反行為ですよ。義務を尽くしてない怠慢行為ですよ。私は出席しなければならないという、議事に加わらなければならないという義務が生じているんですよ。そのことを申し上げたいですね。
 それから、次に重大なことの内容としてお触れになったんですけども、さらにこの中には、金の問題があるんですよ。上杉何がしというのが、ここで出している人ですよね。市長宛てにこういう文書を出している。「高尾は法外な謝礼金を受け取っている疑いがある。これは刑法上の収賄だ。直ちに、速やかに刑事告発を遂げるとともに、罷免せよ」と。これ、1対1の個人がやりとりした文書じゃないですよ。公的な市長に対して、半ば公的な性格を持った書面を出してそういうことを言っているんですよ。その証拠があるなら出していただきたい。とんでもないことですよ。
 渇しても盗泉の水を飲まず、私はびた一文そんなものもらってませんよ。もし、そんなことをしたら、明確にこれは法律違反、刑法にも問われることですから、警察当局、検察当局、私を捜査対象にしているはずですよ。そんな情報がありますか。あるいは、私が既に刑事訴追を受けたということがありますか。あるいは、さらに言えば、そんな金を出したら支払い調書がきちんと税務署へ行くはずですよ。それを御確認いただきたい。私はそんな金もらってたら。大体このような全く根拠のない推測に推測を重ねて、悪意のある推測を重ねて、これで私の人格をおとしめて、しかも社会的に抹殺しようとしているんですよ。こんな基本的な人権の侵害がありますか。おかしいじゃないですか
 私は、江川さんに、この基本的な人権が危うくなっているような状況、これを深く理解していただいて、本当の真の教育行政、健全な発展のために多大なる努力、それを切にお願いしたいです。以上です。

◆江川繁委員 いろいろ主観的に思いを申されましたんで、それはそれで受けとめますけども、幾つか聞いたところで、もう一度お聞きします。
 まず、サンケイグループとの関係、これはフジ・サンケイだと、どちらも同じだと思いますけども、大阪で言えば例の3セク事業で大阪市が株の所有があったらいろんな形で影響もできるわけでございますので、広い意味でやはり利害関係に妥当することが出てくるということを言われておりますし、私もそういうふうには思います。
 だから、別にサンケイの問題がどうやとかそういうんではなくて、いわゆる法令的な問題でいったら、育鵬社というのは先ほども言われたように日本教育再生機構、一体的にこの教科書の執筆とか出版、販売、こういったことをやられているものでありますから、そういった意味で、この採択にかかわるというのは、例えば準用ですけど、それは直接今、職にいないと、1年間いないということは言われましたが、例えば大阪市の契約管財、教科書でいったら、公民・歴史といったら4,000万ぐらいになるんですかね。4年間ですから1億円を超える、そういったお金の問題になりますので、そういう意味では、大阪市の契約管財局が出している、例えば公募型プロポーザル方式の採用手続とか、そういったところでは、こういった過去3年程度は本市と関係がない人でないといかんとか、あるいは利害関係が生ずるおそれのある場合は委員を辞任するなり、あるいはその審査に関与しないということも言われております。
 また、教科書の選定委員会の規則で、今言われましたように、教科用図書の採択に直接の利害関係を有する者は委員会の委員となることはできないという趣旨。それから、いわゆる職員の退職管理に関する条例というのがありまして、そこでも主観的な意味は違いますよ、客観的に、こういった基準をつくっているというので言えば、離職前5年間の職務に属する者に関し、離職後2年間、職務上の行為をすることに関することは、これはだめだということもあります。
 そういう意味では、直接法令に違反するとか、そういうこともあるかないかは別にして、やはり関与するという多大な疑念というか、そういったものが持たれることについては、やはりこの問題についてはいわゆる参加すべきではない。棄権をするとか、そういったこともあり得たわけで、そういった公正公平なものにしていく上で、法的なのか道義的なのかは別にして、そういった選択の余地もあったんではないかなと。いろいろなところへ問い合わせされたというふうには今、言われましたけども、そういったことがあるというふうに思います。
 かつて、教育委員会で、僕もいつもよく出てますからあれですけど、高尾委員が道義的なことがあるからといって採決のときに、あれは社会教育委員でしたかね、何か委員のときに産経関係の人がなっていたときに外れられたということを私は記憶しております。そういったこと以上に、今回は1億円にかかわる問題も絡んできますので、やはり自重すべきではなかったかなというふうに思っているわけですが、その点について再度お願いします。

◎高尾教育委員会委員 失礼ですが、江川先生の反論は全く反論になってないと私は思います。全てそれに対する答えは、先ほどの内容で私が述べておるとおりです。私はその審議に参加する資格がある。にもかかわらず審議を回避する、それは私にとっての義務違反になると。それから、私が回避したという事案をおっしゃいましたけど、確かにあれは社会教育委員の任命か何かだったと思いますが、これは産経新聞社の現職の部長がその名前にありました。これは、資本関係も何も別の会社が、遠くにある会社のどうのこうのという問題じゃないですよ。そのときには、まだ私は嘱託という立場にありましたし、これは疑惑を持たれてはいかんと。また、それについての明確な規制というのもなかったんですけども、そのために私は回避しただけの話です。以上です。

◆江川繁委員 何か独禁法のことにかかわって、いろいろとこの方もやられてるそうですので、いずれ決着はつくとは思いますが、そういう疑念が持たれるようなかかわりというのはあって、1年になるのかね、やめてから。あるいは、こういった規定でいえば2年なのか5年なのかは別にして、そういったところではみずからの、先ほど言われたような形のことが選択肢としてあったのではないかなということをもう一度指摘をして、一応7時40分までになってますので、高尾委員のことについてはお聞きしましたので、この教科書問題については、あといろいろ傍聴の問題とか、先ほど西崎さんが言われたような採択制度が全く現場の教員の、直接子供にかかわる、そういったところが反映しないようなことになっていることについては、やはり再考が要るんではないかなということを指摘しておきます。
 これにかかわって、副市長も来ていただいておりますので、この件についての見解を、今の質疑も含めて、また陳情のほうも出されておりますし、お聞きいたします。

◎山本教育長 お答えをいたします。
 あくまで、高尾委員から先ほど御説明ありましたように、私ども教育委員会の合議制の機関のお一人として参画をいただいておりまして、特段の明確ないわゆる除斥といいますか、取り除く意味がない範囲においては、これは職務としてきちっと真摯に当たっていただくのが当然の務めでございます。また、委員の選任の際におきましては、私どものほうできちっと議会のほうにも御説明をして、議会のほうの承認も得ているわけでございますので、その点についても御理解を賜りたいと思っているところであります。以上でございます。

◆江川繁委員 きょう、事前に副市長に聞くということを言っておったと思いますけども、ちょっとお願いします。

◎村上副市長 この件に関しての事前通告を受けておりません。見解としましては、教育長からお答えしたとおりでございます。

◆江川繁委員 僕のほうはしたつもりですが、手違いがあったのか、そういうことですので、この件については、やはりきっちりとこの問題については今、疑念が出されていることでありますので、解決をしていくと。あわせて、教科書の採択を公正公平なものにしていくということについては、これからも求めていきたいと思っております。
(後略)

大阪市育鵬社教科書採択問題
大阪市会質疑(議事録) 2015.10.5 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2015.12.3 佐々木哲夫(公明)
2015.12.10 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.2.23 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.3.23 北野妙子(自民) – 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
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