2015年10月5日 大阪市会教育こども委員会議事録(1)

西崎照明市議(公明)の質疑

◆西崎照明委員 公明の西崎でございます。
 私のほうからは、陳情第77号、教科用図書の採択について質疑をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 今年度、中学校の教科書が採択されました。教育長より陳情についての説明がありましたが、具体的な採択の手順について説明いただきたいと思います。また、歴史と公民の教科書については、採択教科書に加えて別の教科書を補助教材として使用できるよう調整を図るものとする附帯決議が決議されました。このようなことは今までなかったように思います。
 学校現場では、教科書に加え、学校の現状に応じて補助教材を徴収金等で購入し、授業を行っているところも多いと聞いております。検定済みの教科書2冊を限られた授業時間の中でどのように使用していくのか、現実的には非常に無理があるように思います。先ほどの教育長の説明の中で、教科書の複数使用に期待される教育効果を挙げておられましたが、もう1冊の教科書を補助教材として実際にはどのように授業で使用していこうと考えていらっしゃるのか、御説明をお願いいたします。

◎森本教育委員会事務局指導部中学校教育担当課長 お答え申し上げます。
 採択の手順でありますけども、教育委員会より諮問を受けました教科用図書選定委員会には、調査会といたしまして専門調査会及び学校調査会を設置し、各調査会が調査研究並びに選定資料を作成いたします。各調査会からの報告に基づきまして、教科用図書選定委員会がさらに調査研究を実施し、教育委員会に答申いたします。答申につきましては、教科書ごとの順位づけやいわゆる絞り込みは行わず、全ての教科書について特筆すべき事柄を文書表記したものとなっております。教育委員会では、答申を参照し、採択するという手順でございます。
 補助教材につきましては、18歳選挙権の成立に伴い、1つの教科書から覚えるという方法から、みずから考え、みずから判断する、政治的リテラシーを備えた有権者を育てる主権者教育重視の社会科教育への第一歩になると考え、使用できるよう調整を図るものとしていきます。
 2冊の教科書の全ての内容を授業で取り扱うということではなく、採択された教科書を使用しながら、特に歴史事象や社会事象で異なる視点や多面的な捉え方ができる単元におきまして、部分的に補助教材を使用することが考えられます。また、幾つかの単元を、補助教材のみを使用して授業を行うことは想定しておりません。以上でございます。

◆西崎照明委員 18歳選挙権の例を挙げられて、1つの教科書から覚えるという方法から、みずから考え、みずから判断する政治的リテラシーを備えた有権者を育てる主権者教育重視の社会科教育の第一歩になるという答弁がございました。それなら、これからもさらに補助教材として2冊目の検定済み教科書は必要ということになってしまいますね。
 また、答弁の中に出てきた専門調査会、学校調査会というところの構成や役割について説明をいただきたいと思います。
 言うまでもないことですが、教科書を使って生徒を指導するのは現場の教員であります。その教員にとって、最も使いやすく、指導しやすい教科書を選択することこそが、権限を有する教育委員会の責務であると私は考えております。教員の地位に関する国連ILOの勧告によりますと、教員は生徒に最も適した教育及び教授法を判断する資格を特に有しているので、教材の選択及び使用、教科書の選択並びに教育方法・運用に当たって承認された計画の枠の中で、かつ教育当局の援助を得て主要な役割が与えられるものとするというふうにございます。
 教育委員会は、大阪市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会の厳正かつ公正な選定を経た答申を参照にしながら採択を行ったと説明がありましたが、現場教員の声がどれだけ実際に反映されているのかをお聞かせください。

◎森本教育委員会事務局指導部中学校教育担当課長 お答え申し上げます。
 専門調査会は、種目ごとに教員2名から4名と校長1名の調査員が合議のもと、各教科書見本本につきまして詳細に調査研究を行い、発行者ごとに特筆すべき事柄につきまして具体的に文章で記述しております。また、学校調査会は、大阪市立中学校130校全てに設置され、調査の観点に基づいて、発行者ごとに特筆すべき事柄につきまして具体的に文章で記述しております。
 調査の観点は、子供の最善の利益を第一とし、子供が学力を身につけ、健やかに成長していくことを目指しまして、大阪市教育基本条例、大阪市教育振興基本計画や教育基本法、学習指導要領等の目標や内容をもとに、選定委員会が策定しました調査研究の指標でございます。選定委員会は、専門調査会の調査結果及び学校調査会の調査・集約結果並びに教科書展示会場において実施されました市民アンケートの集約結果につきまして報告を受け、これらを参考にしながら答申を作成いたしました。
 このように、選定委員会が作成した答申は、専門調査会や学校調査会を通じて現場の教員の調査研究結果を反映したものとなっております。以上でございます。

◆西崎照明委員 専門調査会、それから学校調査会の調査結果には現場の教員の声が反映されているという説明がありましたが、採択に当たり、その調査結果を教育委員会がきちんと取り上げているのかどうか、そこは私はちょっと大いに疑問に感じているところでございます。また、市民アンケートの結果を報告し、参考にしているという答弁でございました。アンケートは人を動員すれば結果が変わる怖さがあるということを指摘させていただきます
 教科書採択は、採択権者である教育委員会の権限と責任において、公正かつ適正な採択を行うべきであると考えますが、教員の多忙化が問題視される中で、多くの教員が時間を割いて調査研究に携わったとも聞いております。大阪市の中学生に最も適した教科書を採択することは、大阪市の掲げる学力向上の一端を担っていることは言うまでもございませんが、教科書を実際に使用して学習する中学生、それを指導する教員、この意見は非常に貴重であります。
 採択の手続についての説明の中で、教育委員会は「答申を参照し」とありましたが、今回の採択に当たり、実際にはどのように答申を反映し採択したのか、説明をお願いいたします。

◎森本教育委員会事務局指導部中学校教育担当課長 お答え申し上げます。
 平成27年4月7月付文部科学省通知によりますと、「採択教科書の決定に当たっては、教職員の投票によって決定されるようなことはもとより、十分な審議や調査研究を経ずこれまでの慣例のみによって決定されるなどにより、採択権者の責任が不明確になることがないよう、採択手続の適正化に努めること。」と示されております。教育委員会は、この通知に基づきまして、各調査会の調査と並行して十分な時間をかけて綿密に調査研究を進めてきたものでございます。
 さらに、答申につきましては、全ての種目におきまして、私ども事務局から説明を行い、教育委員会としてその内容を踏まえた上で採択権者の権限と責任において公正かつ厳正な採択に至ったものでございます。以上でございます。

◆西崎照明委員 それでは最後に、陳情書にもありますが、もう一度採択をやり直すことは可能なのか不可能なのか、この見解をお伺いいたします。

◎森本教育委員会事務局指導部中学校教育担当課長 お答え申し上げます。
 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第14条には、「義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度の前年度の8月31日までに行わなければならない。」と示されております。
 また、第2項には、「9月1日以後において新たに教科用図書を採択する必要が生じたときは、速やかに教科用図書の採択を行わなければならない。」と示されております。ここでいう新たに教科用図書を採択する必要が生じたときとは、一旦採択した教科用図書が発行されなくなった場合や採択地区の変更等により採択した教科用図書の変更を行う必要が生じた場合、私立学校が公立学校に移管されて、採択の変更を行う必要が生じた場合を指しております。本市におきましては、これらには該当しておりません。

◆西崎照明委員 新たな教科用図書の変更については、本市は該当しないというふうに断言されておりました。義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則第13条6項だと思いますが、これの文末のところをよく見てみますと、「採択の変更を行う必要が生じた場合などが考えられるであろう」というふうになっておるんですね。今まで不測の事態がなかったので、であろうという文言が利用されてそのままになっておるんですけれども、法律違反など政令が行うわけがありませんので断言されたんでしょうけれども、今回のがどうやと言うてるわけじゃないんですけれども、不正や違法な採択がされていればこの限りではないということを言っておきたいなというふうに思います。
 教科書は、子供たちにとっても非常に親しみやすくてわかりやすいもの、またそれを指導する教員にとっても指導しやすいものが採択されることが望ましいものでございます。また、社会科の補助教材については、生徒・教員の負担となることなどを考えると、期待される教育効果を上げることができるか疑問に思います。教員は、生徒の現状や地域環境を考え、補助プリント等をみずから作成し、教科書の内容をわかりやすく教えていくものだと思っております。
 今回の教科書採択の手順を伺いましたが、教員の意見を初め市民や保護者の意見を答申に反映させる仕組みは整えられているようですけれども、それを採択に結びつけるための仕組みは十分ではないように思います。
 再来年には小学校の道徳の教科書の採択があり、その翌年からは中学校の道徳、小学校の教科書、中学校の教科書と採択が続くので、子供たちにとってよりよい教科書を採択するために、教員の意見を今以上に採択に生かすことができるように、採択業務全体の見直しを検討されることを要望しまして、質疑を終えます。

大阪市育鵬社教科書採択問題
大阪市会質疑(議事録) 2015.10.5 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2015.12.3 佐々木哲夫(公明)
2015.12.10 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.2.23 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
2016.3.23 北野妙子(自民) – 西崎照明(公明) – 江川繁(共産)
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