堺市立商業高校いじめ自殺事件

大阪府堺市で1999年、市立高校1年の女子生徒がいじめを苦に自殺した事件。

事件の経過

大阪府堺市で1999年10月15日、堺市立商業高校(現在は堺市立堺高校に統合し閉校)1年の女子生徒が自宅近くのマンションから飛び降りて自殺した。生徒は「私をいじめた多くの方々へ担任の先生へ おうらみします」などと書いた遺書を残していた。

生徒は体育祭で嫌がらせを受けたり、体育のバレーボールの授業中に女子生徒をからかうようなチーム名が付けられるなどのいじめを受けていたという。

自殺2日前には「(いじめ加害者を)殴りたくなる」などと担任の男性教諭に相談していた。また自殺前日には、思いあまった生徒がいじめ加害生徒に向けてカッターナイフを振り回す騒ぎがあった。担任教諭は同日夜に生徒の自宅を訪問し、両親に対して「しばらく休ませた方がいい」「通信制高校を選び直す道もある」などと話していたという。生徒は話し合いには同席していなかったが、別室にいて担任教諭の話が聞こえていたとみられる。

生徒の自殺直後、学校側はいじめを否定した。しかし両親の独自調査でいじめが浮かび上がり、また自殺直前に生徒が担任教諭に相談していた様子をほかの生徒が目撃していたことが明らかになった。一方で担任教諭は相談の事実関係を否定したという。

2000年5月になり、生徒の遺族が損害賠償訴訟を起こす準備を進めていると一部新聞が報道した。学校側は報道を受けて保護者説明会を開催したが、校長は遺族に無断で生徒の遺書や作文の内容を読み上げるなどした。

堺市教育委員会は事件の再調査をおこない、2001年1月までに「いじめが自殺の主因」と認め遺族に謝罪した。謝罪を受け、遺族は提訴を取りやめて和解した。

堺市教育委員会は2001年3月21日、「生徒のSOSを見抜けなかった。いじめへの対応も不十分だった。校長が無断で遺書を読み上げたり、担任教諭が相談を受けていた事実を隠していたことは信用失墜行為にあたる」などとして、校長と当時の担任教諭を戒告処分にした。担任教諭はその後、別の堺市立高校教頭や堺市教育委員会指導主事・課長を経て2006年に別の堺市立高校校長に昇進し、2009年3月に定年退職した。

堺市教育委員会は2000年3月、自殺の原因は「不明」と文部科学省に報告し、いじめが自殺の主因と認めたあとも修正報告をおこなっていなかった。しかし2006年、全国的にいじめ自殺事件が社会問題になったことで文部科学省が過去の児童・生徒自殺事案の再調査をすすめる中で、この事案が放置されていたことが発覚した。

堺市教育委員会は2006年11月、この生徒の自殺原因について「いじめ自殺」と公式に認めて修正報告をおこなった。


◎主ないじめ事件の事例

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