新潟市立小学校「菌」発言事件

新潟市立小学校4年の男子児童が2016年11月22日の昼休み、担任教諭から名前の後に「菌」を付けて「○○菌」と呼びかけられたことで登校できなくなった事件。この児童が東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の避難者でもあり、震災・原発事故を理由とした同級生からのいじめが背景にあった疑いが指摘されている。

経過

この児童は東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の避難者で、2011年の震災・原発事故に伴い、出身地の福島県から新潟県に避難し、避難先の小学校に入学した。

児童は3年のころから、同級生から名前の後に「菌」を付けられて呼ばれる、持ち物を壊されるなどのいじめを受けていた。保護者によると「原発事故が授業で取り上げられた際、児童が自分の避難経験を積極的に発言した直後から、児童が福島から来たと知っていた同級生を中心にいじめが始まった。原発事故に関する発言がいじめのきっかけになったのではないか」と、原発事故といじめとの因果関係を強く疑っているという。

4年に進級後、児童は担任教諭に対し、「菌」呼ばわりされているのが嫌だと2度にわたって相談した。担任教諭はこれを受け、クラスで指導していたという。

2016年11月には、横浜市の小学校で原発避難を理由としたいじめ事案が大きく報道された。このことで児童は「自分も同じではないか」と不安が高まり、11月中旬にも再び担任教諭に相談していた。

さらに11月22日には、昼休みに児童に連絡帳を渡すとき、教諭は児童に「○○菌」と呼びかけた。この日は早朝に東日本大震災の余震とみられる地震が発生し、福島県などで大きな揺れを感じ、津波も観測された。児童の父親は福島県に残っていたが、地震後父親と連絡が取れないまま登校していた。かねてからのいじめの不安に加わり、当日の地震のこともさらに加わったとみられるが、児童は教諭の発言に強いショックを受け、翌日の祝日をはさみ、翌々日の24日から学校に登校できなくなった。

担任教諭の対応

生徒の保護者は同日中に、「菌」発言について学校側に抗議した。担任教諭は学校側の聴き取り調査に対して、当初は「そんなことを言った覚えはない」と否定した。しかし学校側は同級生にも聴き取りをおこない、教室にいた複数の同級生がその発言を聞いたと証言したことから、教諭の発言は事実と判断した。

同級生の証言を知った担任教諭はその後証言を変え、発言をおこなったことを認めた。しかしその一方で、発言の理由については「『菌』の意味とは知らなかった。単に名前の後に『~キン』とつけた愛称だと認識していた」などと釈明したという。教諭の釈明に沿うならば、児童が「菌」呼ばわりされていると教諭に訴え、教諭がクラスで指導をおこなっていたという事実関係と著しい齟齬が出ることになる。

また保護者によると、保護者が担任教諭に直接話をした際、「私は今年度から担任なので」とそっけない対応をされたとも訴えている。

学校・教育委員会の対応

学校や教育委員会は、担任教諭の不適切発言や、同級生からのいじめがあったことは事実と判断した。一方で震災・原発事故との因果関係については、「関連性はないとみられる」と結論づけた。

新潟市教育委員会は2017年3月15日、教諭を減給処分にした。

被害児童は2017年の新学期より、別の学校に転校したという。


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