群馬県立高校いじめ自殺事件:県教委の回答

 群馬県立高校2年生だった男子生徒が2007年12月に自殺した問題がありました。生徒は生前、いじめに悩んでいるような作文を残していました。


 一方で学校や群馬県教育委員会はいじめの事実を認めていません。生徒の父親は2008年7月に群馬県教育委員会に再調査要望を出していましたが、年末になって回答が届いたということです。
 まず当時の事実関係を、当ブログの過去記事『群馬県立高校いじめ自殺問題:「その後」を毎日新聞が取材>』(2008年6月15日付)より再掲します。

生徒は2007年12月1日、修学旅行から帰宅した直後に自殺したということです。その後の調査で、この生徒が「別の生徒から悪口を言われた」として、修学旅行中に担任教諭に泣きながら相談していたことが明らかになっています。
 また自殺した生徒が生前、いじめを訴えるような作文を残していたことも分かりました。
 しかし学校側はいじめの事実関係を認めず、再調査もしていません。
 さらに学校側は、生徒の死について他の生徒には「事故死」とだけ報告し、自殺だったということには触れませんでした。学校側はこのような報告をおこなったことについて「遺族の意向」と説明しましたが、当の遺族は「そんな意向を伝えたことはないし、他の生徒への報告について学校側から相談されたことすらない」と話しているということです。

 再調査要望に対して、群馬県広報課は「教育委員会は独立した機関であり、頂いた手紙を教委へ連絡した」、群馬県教育委員会は「両親は前橋地方法務局に人権侵犯の調査を申告したと聞いており、その調査結果を見極めた上で対応を検討したい」と回答したということです。
 一方で生徒の父親は「御用納めのタイミングに合わせたひな型のような回答書だ。これだけの回答をもらうのに、五カ月以上かかるとは。法務局の調査を挙げ、教委が今は再調査しないというのは理由になっていない。これでは、教委の存在そのものに強い疑問を感じる対応だ」として、不満を表明しています。
 「法務局の調査結果を見極めた上で」というのは、裏を返せば「独自調査はしない」といっているようにもとれます。「いじめはなかったことにしたい」という思惑や結論が先にあるのではないか、そう疑いたくもなります。
 しかし普通に考えればいじめの可能性が強く疑われる事案でもあり、こういう回答は遺族にとっては納得できるものではないでしょう。
(参考)
◎県立高生徒自殺 『強い疑問感じる』(東京新聞・群馬版 2008年12月28日)