北九州市「君が代」訴訟:二審では全面敗訴

 北九州市立小中学校教諭が入学式・卒業式の「君が代」斉唱拒否で懲戒処分を受けたのは違法として、教諭ら17人や所属組合が処分取り消しなどを求めた訴訟で、福岡高裁は12月15日、一審判決の原告側勝訴部分を取り消し、原告側請求を全面棄却する判決を出しました。


 判決では「君が代」斉唱の職務命令を合法とし、また「斉唱拒否で儀式的行事の雰囲気を乱した」などとして懲戒処分も合法としています。一審では「減給処分は行きすぎ」として減給処分を受けた教職員の処分を取り消す判決が出ましたが、その部分は控訴審では「以前に数回戒告処分を受けていることから妥当」「不起立行為は保護者らに学校教育への不信感を抱かせた」として否定されています。
 そもそも「君が代」の斉唱強要自体が憲法違反ですし、国旗国歌法でも「強要は望ましくない」としています。学習指導要領でも強要を前提にしたものではなく、逆に卒業式や入学式を含む特別活動は児童・生徒の自主性を尊重しておこなうものとされています。すなわち「君が代」に限らず、行政が特定のやり方を上から押しつけるような行事運営こそが学習指導要領に反するといえます。
 卒業式を実際に実力で妨害した・斉唱拒否を他人に強要したなどの事実はどこにもないのに、斉唱拒否が「儀式的行事の雰囲気を乱した」としてあたかも入学式・卒業式を妨害したかのように描くというのは全くの失当です。また斉唱拒否が学校教育への不信感をあおる行為になるわけでもありません。斉唱強要こそが、学校行事の自主性を乱し学校教育への不信感をあおる行為です。
 また北九州市立学校で発生した、生徒に悪質な暴力を継続的に加えたために一度懲戒免職になった北九州市立中学校教諭(現在北九州市立菅生中学校勤務)・林壮一郎を不当に復職させた件や北九州市立青葉小学校での「体罰」自殺事件などの重大な被害を生み出している事件で、北九州市当局が無法行為の加害者を擁護し加害行為を正当化していることの方がよほど「学校教育への不信感をあおる行為」です。こういった暴力事件に北九州市当局が加担していることの方が、斉唱拒否で児童・生徒に実害を及ぼすわけでもない「君が代」問題よりもずっと実害のある行為です。