全国学力テスト市町村別成績全面開示せよと訴訟準備:大阪府

 全国学力テストの市町村別成績開示について、大阪府茨木市在住の男性(57)が情報開示を求めたが全面開示されなかったのは不当として、大阪府教育委員会と橋下徹大阪府知事を相手取り、訴訟を準備していることが分かりました。


 大阪府教育委員会は市町村別成績を全面非開示にしました。橋下徹大阪府知事は府教委の方針をひっくり返し、各市町村に対して自主公表を求める圧力をかけました。吹田市からの強い反発や、「自治体管内に学校が1~2校しかないところでは事実上学校別成績公表になる」という理由からの非開示決定などに遭い、結果的に自主公表に応じた自治体のみ公開しました。
 原告となる人は「すべて公開せよ」として全面開示を要求する様子です。「知る権利」を口実にしていますが、こんな情報を知って何になるのでしょうか。
 原告は橋下知事と形式上は裁判で争う形になりますが、裁判は実質的には「成績を公開させるための共同作業」という性質を持ってしまうのではないかといえます。知事自身がやりたいと強く希望したにもかかわらず一部しかできなかったことを「全面的にやってくれ」として訴訟をおこなおうとしているのですから。
 根本には、全国学力テストのあり方そのものへの矛盾があります。競争を目的としながら、世論の反発で公表は都道府県単位までせざるを得なくなったという矛盾点を突いて、競争をあおりたい勢力が自分にとって都合の良さそうな論理を持ち出し、開示範囲を広げようとする口実にするという形になっています。
 こういった問題は別に大阪府特有の問題ではありません。例えば鳥取県でのテスト成績開示に対応するための情報公開条例改正問題についても、本質的には似たような背景をもっています。全国学力テストのあり方自体を見直さなければ、全国あちこちでこういった問題が起こるのは目に見えています。
(参考)
◎橋下知事らを提訴へ 学力調査の開示結果に不服の府民(朝日新聞 2008/12/11)