林田真二の児童いじめ事件:二審福岡高裁は賠償金増額

 福岡市立小学校教諭・林田真二(51)が2003年、担任をつとめていた4年生のクラスで、特定の男子児童に人種差別的ないじめ行為を執拗に繰り返しPTSDを発症させたとして被害児童(現在中学校3年生)や保護者が訴えていた問題で、福岡高裁は11月25日、一審判決より賠償額を増額し、福岡市に330万円の支払いを命じる判決を出しました。


 二審判決では一審判決と同様、林田真二が児童に暴行を加えたこと、林田が児童のランドセルを捨てたことなどの悪質ないじめ行為を執拗に繰り返したことを事実と認定しています。一方でPTSDとの因果関係は認めていないものの、通院の必要が生じたとして賠償額を増額しています。全体的には、事実認定の範囲は一審とほぼ同様ながら、賠償額が増額された形になりました。
 林田のいじめ行為とPTSDとの因果関係を認めなかったことなどは、一審同様に不十分だとはいえます。しかし、認定範囲が不十分ながらも、林田の悪質ないじめ行為が認められていることに注意する必要があります。仮にPTSDうんぬんの問題がなかったとしても、児童に執拗な暴力を加えたことやランドセルを捨てたことなどだけでも教師の資格はないと断定できる行為です(実際、2008年8月には兵庫県姫路市で児童に暴力を加えた上で荷物を廊下に放り出した教師が停職3ヶ月の懲戒処分を受けています)。
 林田真二は事件自体を「でっち上げ」と主張し、一部出版社・ライターと組んで「事件は虚言癖のある保護者によるでっち上げ」「保護者はモンスターペアレント」などとする書籍を出版するという、前代未聞の悪質な中傷までおこないました。学校関係の事件では、学校や地域住民が発信元となり、被害者やその関係者に対して口コミで同種の中傷がおこなわれることはよくありますが、出版という形で全国的に悪質な中傷を振りまいたのは前代未聞です。
 しかし林田の主張や書籍の内容は明らかな虚偽だった、また「でっち上げ」「モンスターペアレント」なる主張は全く根拠のない逆恨み的な八つ当たりだということは、今回の裁判の結果からも事実上認定されていると見なして差し支えありません。書籍の著者の福田ますみなる名義の人物、および発行元の新潮社(ライバル誌である『週刊文春』が林田の問題を批判的に取り上げたことに対抗してこのようなものを出版したと推測される)は、自主的に該当書籍の絶版と謝罪などのしかるべき措置をとるべきでしょう。
 また<2008年5月の結審の段階で、林田側の「でっち上げ」の主張に沿った報道をおこなったRKB毎日の報道姿勢も問われなければなりません。  判決は被害者の立場に立ってみれば不十分な面があることは否めませんが、林田の主張が認められたというわけでもありません。被害認定範囲が不十分と見なして上告するかどうかは当事者の判断になりますが、少なくとも「林田の主張はほとんど退けられている」と見なして差し支えないといえます。