「愚か者の誓い」擁護する声

 東京都足立区立中学校で数学を担当する女性教諭が、忘れ物をした生徒などに対して「愚か者の誓い」と題した紙を配付し、「私が愚かでした」などと繰り返し書かせていたことが分かりました。


 このことに対して、「読売新聞」2008年11月8日付『足立の中学校 「愚か者の誓い」擁護論』によると、足立区教育委員会に対して学校側を擁護する意見が多数寄せられているということです。

『読売新聞』2008年11月8日付『足立の中学校 「愚か者の誓い」擁護論』より一部引用
…(2008年11月)5日夜。同校で全生徒の保護者を対象とした非公開の説明会があった。保護者186人を前に教諭と校長が謝罪し、再発防止のため、学校の管理職による全教諭の授業への視察を増やすと説明したという。
 しかし、閉会後の校長や区教委の説明では、発言した10人前後の保護者の意見は、「教育熱心ないい先生。これからも頑張ってほしい」といった教諭への擁護や激励が半数以上。ある保護者が「悪いのは(宿題を忘れた生徒)本人。先生は悪くない」と話すと拍手が起きたという。
 一方で、「愚か者という言葉を使うのは良くない」との批判も出た。「管理職が気づかなかったのか」と質問した保護者もいたが、こうした発言は2件ほどだったという。
 区役所にはこれまでに、電話やメールなどで25件の意見が寄せられ、うち18件が「騒ぎ立てるな」「問題ではない」「(教諭を)処分するな」などの擁護論。「あってはならない」などの苦情は5件という。…

 教諭の行為は人権侵害と見なされ、また広い意味での「体罰」に該当する行為でもあり、このような行為は決して弁解の余地はありません。当然のことながらこういった行為は決してあってはならないことであり、同種行為の再発防止のために全力を尽くさなければなりません。
 しかし、このような児童・生徒への人権侵害問題が発生すると必ずといっていいほど湧いて出るのが、この手の学校・教師擁護論です。「いついかなる時でも学校や教師が正しく、子どもは間違っている。学校を批判すること自体が悪」かのような固定観念にとらわれて、本質的な問題を無視して「教育熱心」などとすり替えて感情的になって擁護するのは、昔から繰り返されてきたこととはいえども、今回もまた発生したかと思うと気分が重くなります。この問題に限らず、最近はこの手の感情的な擁護論を唱えるものが目立つようになっているような気がします。
 問題は「教育熱心」かどうかではなく、行為そのものです。人権侵害行為を「教育熱心」とするのは筋が通りません。