政治教育に関する『しんぶん赤旗』主張

 『しんぶん赤旗』2016年1月17日付「主張」に「学校での政治教育 現場を萎縮させる圧力やめよ」が掲載されている。

 同紙は日本共産党の機関紙ではあるが、この「主張」は共産党としての政治的主張の色が強いわけではなく、むしろ教育の中立性を訴えるものとなっていて示唆に富んでいる。

 「主張」では2015年、山口県立高校で安保法制について学習した際、県議会で難癖をつけるような質問がされた問題を取り上げている。

 山口県立柳井高校(山口県柳井市)で、2年生の現代社会の授業で安全保障関連法案について調べ模擬投票を実施した授業実践に対し、浅原司山口県教育...

 それに対して、以下のように批判している。

しかしこの授業は、生徒が「安保法案」についての政府の見解や野党の主張などを学び、自分たちの意見を発表し、説得力のある意見に投票するというものでした。特定の政治的見解を押し付けるものでなく、「政治的中立性」に何ら反するものではありません。

 教員たちが工夫して政治教育を試みても、このように政治家が難癖をつけ、それに教育委員会が同調する。これでは政治教育は危ないからやめようという自粛ムードをつくり、政治教育の芽をつみとるようなものです。深刻なことに、その後も同様の事例が続いています。教育の自由を侵害する圧力はやめるべきです。

 文部科学省や教育委員会は不当な攻撃には毅然(きぜん)と対処し、多様な政治教育の試みを励ますべきです。仮に、そのなかで改善すべきことがあれば、議論を深め、現場の主体的な改善の努力をはかるようにすることが教育行政の役割ではないでしょうか。

 2015年10月には、宮城県の高校で、文化祭での発表の一環として安保法に関するアンケートを全校生徒対象におこなったところ、「不適切」などとクレームがついて発表中止に追い込まれる事件も発生している。

 宮城県柴田農林高校(宮城県柴田郡大河原町)の社会科学部が、文化祭での発表の一環として安保法に関するアンケートを全校生徒対象におこなったとこ...

 政治的中立とは、「政治的な内容」とみなしたものに一切触れない・触れさせないということではない。見解が分かれる問題については、多種多様な論点や資料を提供しながら、教師や指導者が特定の結論を押し付けずに、生徒一人ひとりが自主的に検討する力を身につけさせるという対応こそが必要なのではないか。

 18歳選挙権の実現を控え、主権者教育の重要性も指摘されている。教育行政としては抑えこむような対応ではなく、現場の創意工夫をできるだけ尊重する対応へと変えていくことが重要なのではないか。

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