学校選択制の弊害:毎日新聞調査

 『毎日新聞』2008年10月22日付『学校選択制 大きな格差、男女比にも偏り…都内28市区』によると、毎日新聞社が東京都内で学校選択制を導入している28市区教育委員会へ、学校選択制に関する取材調査をおこなったということです。


 記事によると、入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)に大きな格差が生まれ、少ないところでは8.1%、最大で326.7%となっていたことが分かりました。
 小規模校を避ける傾向が生まれてさらに小規模化が加速するという悪循環が生まれているケースや、「統廃合の噂が立つ」「荒れている・いじめがあるなどの噂が立つ」などの風評によって入学者数が左右されるケースも生まれているということです。またこの記事では明示されていませんが、過去の報道情報などを総合すると、東京都独自の学力テストで学校別成績を公表していることもあり、「平均点の高い学校」が「人気校」となるという風評もあります。
 東京都では学校選択制が導入されている自治体が多くみられますが、現状は学校選択制の弊害を如実に表しているものです。「人気校」では過密化によって教育条件が低下し、また「不人気校」は小規模校となり「理科の教員が数学を教えたり、陸上の不得手な生徒が区の陸上大会に引っ張り出されるなど」などの教育条件低下が生まれています。
 多くの地域では、学校選択制は「校区に指定されている学校より隣接校区の学校の方が自宅から近い場合」「校区に指定されている学校に通うには大きな道路を渡らなければならないため、隣接校区の学校の方が通学上安全と考えられる場合」「いじめなどからの緊急避難」「僻地校について、特認校として希望者への就学を認める場合」など限定的におこなわれています。学校選択制はこういった理由がある場合のみ限定的におこなうべきで、無制限な学校選択制は教育条件の悪化やアンバランス化につながるため望ましくないといえます。