大阪府市大学統合議論進める決議案:大阪府議会で可決

 大阪府議会は12月22日の本会議で、大阪府立大学・大阪市立大学の統合の議論を進める議案を、賛成多数で可決した。

 大阪府立大学の中期目標に「統合による新大学の実現に向け、準備を進める」とする文言を付け加えるもの。大阪維新の会のほか、以前は慎重な態度を示していた自民・公明・民主も賛成に転じた。共産は反対した。

 本会議に先立っておこなわれた12月21日の教育常任委員会では、議論には関係者の意見を聞いて慎重な対応を求める附帯決議案が公明党提案で出され、全会一致で可決した。

 大阪市会でも、2016年1月にも大阪市立大学について、同種の議案が審議される見込みとなっている。

 大学統合問題については、大学関係者から自発的に提案があり、関係者の意見をまとめたうえでのものではない。いわゆる「大阪都構想」に絡み、大阪府と大阪市がそれぞれ大学を設置・運営しているのは「二重行政」と一方的に槍玉に挙げられて突然巻き込まれたという、いわば政治主導でのものである。

 大学運営のトップは圧力を受けて統廃合前提に動いているものの、学生や教職員など大多数の構成員や卒業生などに対しては、十分な説明も意見表明の場も確保されていないのが現状である。

 大学の存在意義などを考えると、現行の案は一度白紙に戻し、統廃合が前提ではなくあらゆる可能性を視野に入れ、構成員の意見を十分に集約しながら大学の発展の方向性を探るというのが筋である。

 附帯決議で慎重な対応を求める決議案が出され可決されたこと自体は当然だといえる。一方で、現在出されている統廃合案自体が、「大阪都構想」や大阪維新の会の統合ありきの特定の方向性を前提としていることから、話し合い・議論の方向性が特定の方向へと強引に進められる危険性と隣合わせになるのではないかという危惧を感じる。

 議会での議論の方向性を見極めるとともに、関係者や府民の意見をきっちりと議会など関係先に伝えていく取り組みも重要になってくるのではないかといえる。

スポンサードリンク
スポンサードリンク

シェアする

フォローする