教師の「指導」を苦にした自殺、調査への反映を要望

 教師からの「指導」を苦にして自殺した生徒の遺族らが9月29日、文部科学省が実施している「児童生徒の問題行動等調査」では教師からの暴力や「指導」を苦にした自殺した件数が反映されていないとして、同省に対して再調査や改善を求める要望をおこないました。

 同調査では、子どものいじめや自殺の実態についての統計がされています。同調査での統計上では、教師からの暴力や「指導」・叱責が原因とされる自殺は、1996年度以降発生していないことになっています。
 しかし統計上「0」とされている期間、教師からの暴力(いわゆる「体罰」)や暴言、強圧的な「指導」・叱責を苦にしたとみられる自殺事件は一定数発生しています。
 当サイトが把握した範囲内だけでも、以下のような事件があります。

  • 長崎市立中学校(2004年5月):教師の「指導」中、校舎の窓から飛び降りて自殺。
  • 埼玉県立所沢高校(2004年5月):試験中のカンニングを疑われ、教師5人から長時間取り囲まれて「指導」。生徒は直後に自殺。
  • 北九州市立青葉小学校(2006年3月):担任教諭が特定児童に日常的に暴行。その日も児童間のトラブルに対し、事実関係を把握せずに一方的にその児童に暴力や罵倒。児童はその直後に自殺。
  • 北海道稚内商工高校(2008年7月):教師から長時間「指導」を受け、生徒は「教師から『死ね』『バカ』などと罵倒された」と訴える遺書を残して自殺。

 このような事件が実際に発生しているにもかかわらず、統計の上では反映されていません。もちろんこういう事件はあってはならないというのはいうまでもありません。しかしこういう事件を正攻法でなくしていくのではなく、数値の上でなくすことが自己目的化するあまり「統計に反映しないことでなかったことにする」という手法をとるのは本末転倒です。
 事実関係の正確な把握をしなければ、正しい意味での対策もとりようがありません。現に発生した「教師からの暴力や『指導』を苦にしたと疑われる自殺事件」の再調査や、統計のあり方自体の改善は、強く求められているといえるでしょう。

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