学校選択制を廃止:群馬県前橋市

 小中学校の学校選択制を2004年度より導入していた群馬県前橋市は、2011年度より学校選択制を廃止することを決めました。

 学校選択制を導入した結果、地域との関係が希薄化したことや、各学校ごとの生徒数の偏りが生まれるなどの弊害が生まれたことが原因だということです。
 学校選択制といっても、学校選択のための情報は非常に断片的です。学校選択制が導入されている地域での選択基準として、地域では有名進学校とされている学校への進学実績や、部活動の成績など「目に見えるもの」に頼る傾向が、あちこちの地域で発生しています。それらは一見すると、統計的な根拠があるように見えます。
 しかし、そもそも「進学校」という定義自体があやふやなものですし、あやふやな定義・学校序列化の上に立った「進学実績」はもっとあやふやなものです。また進学実績にしても部活動の実績にしても、全体的な数値に過ぎず、個々の児童・生徒の自己実現とは必ずしも相関関係はありません。すなわち、それらの内容は根拠が曖昧なものだといえます。
 そういう根本を無視して、あたかも進学実績や部活動の成績など「数値」がすべてかのような風潮が蔓延し、学校選択ではただの「風評・噂」が独り歩きすることになります。
 また学校選択制では「人気校」と「不人気校」の格差が出て、「人気校」では過密化による教育条件悪化、「不人気校」では生徒数減少による教育への影響が、それぞれ生まれます。
 無制限な学校選択制は好ましくありません。「学校と自宅との位置関係で、校区に指定されている学校より隣の校区の学校の方が近い」「校区に指定されている学校に通うには大きな道路を渡らなければならないが、隣の校区の学校ではその必要がない」「いじめなどによる緊急避難」などの事情がある場合に限られるべきでしょう。