大阪市の教研集会会場貸出拒否:違法性引き続き認める

 教職員組合の教育研究集会会場として市立小学校を借りようとしたが、大阪市「労使関係条例」を理由に「労組活動への便宜供与」として拒否されたことは不当として大阪市教職員組合が訴えていた訴訟で、大阪高裁は10月13日、一審大阪地裁判決を一部変更し、裁量権の逸脱や乱用に当たるという判断は一審に引き続きおこなったものの、一審で認めていた損害賠償については棄却した。

 判決では、2011年に就任した橋下徹大阪市長のもとで制定された条例を根拠にした開場貸出拒否について、集会の目的や内容・学校を使う必要性などを考慮すべきだと指摘し、教員らの研修の性質も持つ教研集会という性質上、理科室や音楽室など学校特有の施設を使用する必要性がある場合もあるにもかかわらず、その点を十分に考慮せずに、当該校の校長が使用申請不許可を出したことは裁量権の逸脱で違法とした。

 一方で大阪市教委から各学校の校長に対して、「労組活動のために学校施設の使用許可は出せない」とする通知を出したことで、校長が「一律に貸し出すことはできない」と解釈する余地があったとして、賠償責任を負うほどの過失や違法性はないとし、一審で判示された違憲性も否定した。

 賠償が認められなかったという意味で一審より判決が後退したことは残念ではある。一方で、産経新聞などは「市側の逆転勝訴」と書いているが、中身を検討すれば違法性は引き続き認められていて、そんな単純なものではないのではという印象を受ける。

(参考)
◎発表会使用不許可2審も違法(NHKニュース 2015/10/13)
◎大阪市の学校貸し出し拒否は違法 高裁、教組集会めぐり(朝日新聞 2015/10/13)

(当ブログ過去記事:一審判決時)
教研集会会場訴訟、橋下「労使関係条例」を違憲と指摘:大阪市 (2014/11/26)

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