仙台市いじめ自殺:事件のあった学校で初めて生徒に説明

 仙台市立中学校1年だった男子生徒が2014年9月に自殺し、背景にいじめが指摘された問題で、当該の中学校では10月6日に全校集会が開かれ、いじめについて生徒らに初めて説明した。

 これまでは、二次被害を恐れた遺族の意向として事件非公表の希望があり、学校側は生徒の自殺の事実を伏せ「生徒は家の都合で県外に転校した」と説明していた。

 しかし学校名を特定しないままいじめ事件が報道され、インターネット上では学校が特定されるなどして無関係の生徒が「犯人」扱いされるなど逆に混乱が拡大したり、当該の中学校の近くの公園に献花台が設置されるなどしたことで遺族の心境が変化し、当該校での公表について許可が得られたという。

 私(父親)は自殺直後のショック状態の中、「引っ越したことにしてください」と言ってしまった。息子の友達を動揺させたくなかったし、守るべき家族がいたからだ。加害者側の男子生徒11人も「きっと反省してくれる」と信じていた。
 市教委がいじめ自殺を発表した8月21日以降、インターネット上などでは無関係の生徒たちに疑いの目が向けられた。このまま非公表でいいのか。何度も自問自答してきた。
 最初は加害生徒たちにも将来があると考え、守ってあげようと思った。ただ、息子の死から1年。今も反省や謝罪のひと言もない。

(河北新報2015/10/5 <仙台いじめ自殺>父親、献花台見て心動いた)

 全校集会ではいじめや自殺の経緯を校長が説明し、また校内の一角に献花台を設置することも明らかにしたという。生徒と同学年だった2年の生徒の中には、集会後に気分が悪くなり保健室で手当を受けた生徒もいたという。

 仙台市教育委員会は同日までに、事件のあった中学校は仙台市立館中学校(泉区)と明らかにした。

 学校側のこれまでの対応で、逆に混乱を拡大させた側面もある。事件の事実を隠すことで、誤ったメッセージを発することにもつながりかねない。今後は方針を転換して適切な対応をするとともに、この間の経過を精査して検討する必要もあるだろう。

(参考)
◎いじめ自殺を生徒に説明 仙台市の中学校(産経新聞 2015/10/6)
◎仙台市いじめ自殺 校長が生徒に説明(東日本放送 2015/10/6)