全国学力テスト成績非開示決定:鳥取県

 鳥取県教育委員会は8月11日に教育委員会会議を開き、2007年度・2008年度の全国学力テストの市町村別・学校別結果の非開示を決定しました。

 この問題については、地元新聞社の記者が市町村別・学校別成績結果の開示請求をおこない、県教委が拒否したことに始まります。記者の不服申立を受けて県情報公開審議会が開示を答申し、当初は県教委も従う意向を示していました。
 7月におこなわれた県教委の会議では結論が出ず、今回の会議に結論を持ち越しました。またこの間に市町村教委関係者や現場の校長からも意見聴取をおこないましたが、「以前に実施された県の学力調査の結果公表に関連して、特定教科の平均点が思わしくなかったある中学校で、保護者や地域住民ぐるみで該当教科担当教師を非難する動きが生まれて、教師が転任に追い込まれた」などの不都合がでたという例が指摘されるなどし、開示に否定的な意見が多数を占めていました。
 これらを受けて、非開示に踏み切ったものだとみられます。
 類似例で実際に発生している弊害、また現場の声を総合的に判断すると、「非開示」こそが当然の帰結だと考えられます。
 平均点はあくまでも平均点であり、個人の到達点を示すものではありません。また学力テストで示される学力自体、学力の一部分を表すものにすぎず、学力のすべてを表しているわけでもありません。
 しかし学校別・地域別平均点が公表されることで、「平均点=学力のすべて」と俗物的な結び付けをおこなう風潮が蔓延し、一人一人の到達点を無視して「学校間・地域間の点数競争」に持ち込まれるというのは、都道府県や市町村の統一学力テストでも例外なく発生しています。また点数を上げることだけが自己目的化した類題問題集の活用、ひどい場合には成績改ざんや成績のふるわない子どもをテスト当日に休ませるなどの不正などもあちこちで発生しています。学校別・地域別平均点など特に知っても仕方がない情報ですし、また開示は害にしかならないので、一切公表する必要はありません。