所沢市「育休退園」問題:判決確定まで退園停止の決定

 埼玉県所沢市の「育休退園」問題で、長女が退園させられた保護者が退園処分取り消しを求めて提訴していることに関連して、さいたま地方裁判所が「一審判決が出るまでの間退園処分を停止し、子どもを保育園に通わせる」とする決定を下していたことがわかった。

 所沢市では、第2子以上の育児休暇を取得する場合、保育所に通っている上の子どもは「保育の必要がなくなった」として、特別な事情がない限り原則として強制退園させるという方針を打ち出した。

 待機児童解消策としているが、現に保育を必要としている児童を排除し、保育所で人間関係を築いている児童を強制的に関係から切り離して発達の機会を奪うものである。また保護者の間にも、不要な分断を生むものである。

 「育休退園」制度に対しては、複数の保護者がこの措置の停止を求めて訴訟を起こしている。今回の保護者は、3歳の長女が8月末に退園させられたという。

 裁判所では、不利益な行政処分をするときには、行政手続法に基づいて当事者から話を聞く「聴聞」手続きが必要になるが、市はその手続を踏まずに退園処分を決定したと指摘した。また保護者が健康不安を抱えていることからも保育が必要な事例にあたると判断した。

 法的な手続きの瑕疵が指摘されたことになる。この保護者の長女が1ヶ月ぶりに保育所に通えるようになったことは、本当に良かったと感じる。

 裁判所の決定では手続きの瑕疵について言及したものの、今後の審理の中で、育休退園そのものの不当性についても適切に判断してほしいと願う。

(参考)
◎育休で退園の子ども 判決出るまで通園認める決定(NHK 2015/9/30)
◎所沢市の育休退園問題、退園認めない初の決定 (TBS 2015/9/30)