フジ住宅ヘイトハラスメント問題「裁判を支える会」発足

フジ住宅でのヘイトハラスメント問題で、「ヘイトハラスメント裁判を支える会」が立ち上がったということである。

「会」では事件の経過を記したパンフレットを作成した。

 この事件は、フジ住宅で業務とは無関係な民族差別的な文書が配布されたり、2015年夏の中学校教科書採択に際して、教科書展示会で育鵬社教科書採択を求める文章を書くよう求められるなどしたとして、民族差別・パワハラとして在日韓国人の従業員が提訴したものである。

パンフレットで紹介されている、原告の陳述書。育鵬社教科書問題に関連する部分。

 もう一つ、私が、「いつかなんとかしないといけない」と本気で思い始めたことは、会社が行っている「教科書展示会」への動員でした。それまでは、配布物の受容とそこへの感想文や日報などでの社内での資料を受容しなければならないという「受け身」の話であったことが、「教科書展示会への参加」という、私の意思に反する行動を能動的にさせられることに進んでしまったことです。

 私は参加するはずではありませんでした。社員のみ参加する設計会議の中で提案された「教科書展示会への取り組み」に関する音声データを聞くようにとの指示メールが流れたのですが、「業務と関係がないし聴きたくない」との気持ちがあったので無視してやり過ごすことにしたからです。ですが、ある日、「車の乗合せ表」が送られてきて参加させられることになってしまったことを知り、大変驚きました。

 同僚に聞くと、音声データの最後に、「参加したくない人は何時いつまでに副部長に直接言うように」と入っていたと知りました。ですが、仮にそのことを知っていたとしても、断れたかどうかは自信がありません。「必ず岸和田展示場は行くように(可能な限り他の展示場も回る)」との雰囲気が社内に出来上がっていました。

 当初は会社の制服のままでいいという指示であったのが、いざ行く直前になって、「フジ住宅の人間とわからないように私服に着替えるように」とか、「ブルーリボン(北朝鮮拉致被害者救済活動のバッジ)を付けている方で日の丸がある分は外すように)」などといった指示が出回り、「『反日左翼』らに書き換えられないようにボールペンでアンケートを書くこと」やら、「会社が提示したマニュアルに沿ってかくように」などといった、指示のもとに展示会に行くことになりました。

 会社の業務とは全く関係ないにもかかわらず、教科書展示会期間には、毎日毎日、展示会に行きアンケートを書いてきた従業員の報告がフィードバックされ、会社で変な盛り上がりが起きているようで、とても怖くなりました。

 こんなことをさせる、させられる人達が記入したアンケートが、子どもが使う教科書に影響力をもつとしたらと考えると恐ろしくなりました。しかも、会社が、社員に提示したマニュアルには、「『日教組の先生には教えて欲しくないと近所の人も言ってます。』と書くように。」といった無茶苦茶な内容まで含まれており、そのとおりの記入を促す指示が事細かく書かれていました。

 まるで、徴兵の入口に立たされた気がして本当に怖く、個人の良識が通用しない怖さを感じました。教科書展示会の動員が終わってから、配布された音声データを嫌々ながら確認すると、副部長が「この取り組み(教科書展示会への動員)は、日教組VSフジ住宅の愉快な仲間たちである」などといったびっくりするようなことを言っていました。いつの間に、私や同僚は、会社の上司の兵隊になっていたのか、そしてよく知らない組織を敵として戦わされることになったのか、会社の業務となんの関係があるのか…従業員みんな疑問を持たず、持てないようになってしまったのでしょうか。

 この事件は新聞報道もされていたが、新聞報道では伝えきれていなかったような生々しい事実が告発されている。

 フジ住宅の会長は、育鵬社教科書グループの母体でもある「日本教育再生機構」の発起人でもある。

 「日教組」だの「『反日左翼』の書き換え」だの仮想敵を仕立てあげて戦おうとする妄想。個人の妄想だけでも大概なのに、その妄想にそって公私混同で会社組織を使い、会社の業務とは関係ないにもかかわらず組織的に強要し、仮想敵を倒すことに邁進するかのようなことをするなど、狂気としか言いようがない。しかもフジ住宅の制服やブルーリボンを隠して私服に着替えさせたりバッジを外させたりして、「一般人」のふりをさせるという卑劣さ。

 この事件は悪質な差別・ヘイトであり、また業務とは無関係なことを強要するパワハラでもあり、いずれの意味でも許されない行為であることは言うまでもない。

そのうえで、このようなヘイト勢力が育鵬社教科書を支持している、また育鵬社教科書の内容はヘイト勢力のでたらめな主義主張と親和性が高いということは、事実として踏まえる必要がある。