仙台市立中学校いじめ自殺:誰かが献花台設置し役所が撤去要請

 仙台市立中学校1年の男子生徒が2014年秋にいじめを苦にして自殺したとされる問題で、生徒が通っていた中学校の近くの公園に誰かが献花台を設置し、仙台市の地元区役所が「無断で設置された」と撤去を求めていることがわかった。

 この問題では、仙台市教育委員会は個人情報保護や遺族の要望などを理由に学校名を公表せず、またいじめに関係していた生徒を除く大半の生徒には「この生徒は転校した」と嘘の説明をおこなって自殺の事実を隠していたことが明らかになっている。

 献花台は9月21日朝ごろに設置されたとみられている。幅約2メートルのテーブルに白いクロスがかけられ、花束や菓子が供えられていた。「守ってあげられなくてごめんね。安らかに眠って下さい」「あなたの死をムダにはしないからね」などのメッセージも残されていた。

 仙台市の地元区役所は住民からの連絡で献花台の存在を把握し、9月21日昼に撤去を求める看板を掲出した。区役所公園課の担当者は「許可なく公共スペースに設置され、都市公園法に違反している。自主的な撤去をお願いしたい」とコメントし、現時点では強制撤去などには着手していないという。

 公園への献花台の無断設置は、確かに形式的には違法となりうることではある。しかしこの事件の経過を考えると、やむにやまれず献花台を設置した人の気持ちこそが、人として心の通った対応ではないのだろうか。

 このいじめ自殺事件に関する仙台市教育委員会の対応は、いじめを隠蔽するもので、おかしいのではないか。

 個人特定につながる情報は明らかにしないという口実だが、学校名を伏せても地元の人には「この学校だ」とわかっていることになり、意味がない。マスコミが生徒個人の氏名を報じなければ、第三者には個人特定は不可能である。

 また学校名を公表しても、被害生徒個人の特定にはつながらない。個人情報保護を都合がいいように使って、事件隠蔽に悪用するのは不適切なのではないか。

 また当該校では生徒が自殺したという事実まで伏せられていることは、これでは被害生徒へのいじめの事実が隠蔽されるだけでなく、被害生徒が生きた証そのものが消されてしまうのではないか。

 本来は学校・仙台市が率先して、献花台を設置することも含めて、生徒を追悼する取り組みをおこなうべきではないのか。

(参考)
◎いじめ自殺:中学近くに献花台 区役所は撤去求める 仙台(毎日新聞 2015/9/22)