大阪市立大学統合構想問題、学生らが大阪市会に陳情

 大阪府で橋下徹率いる大阪維新が「二重行政の解消」を口実に大阪府立大学と大阪市立大学の統合を打ち出している問題で、「大阪の公立大学のこれからを考える会」の学生らが9月17日、学生との合意がないままの統合の撤回を求めて大阪市会議長に陳情書を提出した。

 陳情書では、歴史も気風も伝統も異なる大学の統合はそれぞれの個性を喪失すると指摘、また統合構想の推進過程では学生の意見表明の機会はないまま排除され、学生への説明会すら開催されたことがないと指摘している。

 大阪府立大学・大阪市立大学の統合の構想は、大学の構成員からの自発的な要求で発生したものではない。

 橋下徹・大阪維新の会がいわゆる「大阪都構想」(実際は大阪市を廃止・解体し、大阪市の財産を大阪府に吸い上げたうえで現大阪市域に複数の特別区を設置する構想)を掲げる中で、「同じ分野や似た分野の施設について、大阪府立と大阪市立の施設が別々に設置されているのは二重行政」という乱暴な論理を掲げた。大学についても「府立大学と市立大学が別にあるのは二重行政」と一方的に難癖をつけ、二重行政だから統合すると一方的に構想を立てて、大学に押し付けようとしているものである。

 推進する側が「大阪都構想」と称した、大阪市廃止分割の是非について問う住民投票は、2015年5月17日に投開票がおこなわれ、「反対」の声が上回って否決された。橋下や大阪維新は、住民投票の結果確定を受けて「大阪都構想」は終わりと明言した。

 しかしそこからわずか数ヶ月、橋下・大阪維新は自身で「終わり」と明言して歴史的内容として葬ったはずの「大阪都構想」を再び蒸し返し、2015年11月の大阪府知事選挙・大阪市長選挙のダブル選挙の争点にすると言い出した。

 さらに橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は、「大阪都構想」の路線そのままに、大阪府立大学と大阪市立大学の公立大学法人を統合して一元化する議案を、9月の大阪府議会・大阪市議会に提出する方針であることが明らかになった。

 これらの経過は、学生無視、住民世論無視の暴挙ではないか。

 一般的にも、大学の運営、とりわけ将来を決めるような重要な内容については、学生を含む構成員の意見をできる限り聴取し、意見を反映した形でおこなっていく必要がある。そのプロセスが全く尽くされていないこと、しかも自らの政治的主張のために大学の将来を勝手に決めようとすること、一度否決されたものをすぐに蒸し返すことなど、いずれをとっても正常とはいえない内容である。

 少なくとも、橋下・大阪維新が進めようとしている方向性での統合構想は、白紙撤回すべきではないか。

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