金沢市育鵬社教科書採択:他社のほうが高評価だったのを覆す

 石川県金沢市立中学校の社会科歴史教科書に育鵬社が採択された問題で、事前の答申では帝国書院の評価が育鵬社版を上回っていたにも関わらず、教育委員の投票で評価が覆され、育鵬社が採択されていたことが判明した。『毎日新聞』2015年9月11日付「中学歴史教科書:育鵬社4対3で採択 教師らの評価覆す 金沢市教委 /石川」が報じている。

 教師らでつくる調査委員会の報告書では、社会科歴史教科書について17の評価項目に分けて評価していた。報告書の結果では、帝国書院の評価が育鵬社を上回っていた。

 しかし教育委員の投票では、教育委員7人による投票で、育鵬社4・帝国書院3となり、調査委員会の評価とは異なる結果になった形で育鵬社が採択された。

 育鵬社教科書については、事前の教科書の調査では他社のほうが評価が高かったのを、教育委員の投票で覆して採択させたケースは、他自治体でもみられた。金沢市でもそのパターンだったことが判明したことになる。

 育鵬社教科書採択は現場の要求を反映したものではなく、特定の政治的思想を持った教育委員が主導しているものだということを示している実例といえる。だからこそ育鵬社教科書を採択させようとする側は、「教育委員の自主的判断」を口実にした現場の意見の無視・軽視の体制に異常なまでにこだわるのだろう。