中学校夜間学級統廃合に生徒らが疑問の声:東大阪市

 大阪府東大阪市立中学校の夜間学級統廃合問題が、朝日新聞2015年9月10日付『大阪)夜間中学統合、生徒「通えなくなる」 太平寺中』で取り上げられている。

 記事によると、夜間学級を併設していた東大阪市立太平寺中学校が近隣の東大阪市立俊徳中学校と統廃合されること伴い、夜間学級も俊徳中学校に移す構想を立てていた。統廃合に際して、夜間学級と共用で入る新校舎を建設する計画だという。

 しかし統合先の東大阪市立俊徳中学校の保護者から「夜間の移設は聞いていない」「新築の校舎を子どもに使わせてほしい」と夜間学級の移設に反対する声が上がり、東大阪市教育委員会が方針転換し、夜間学級のみ東大阪市立長栄中学校夜間学級に統合することにした。

 太平寺中学校から長栄中学校までは北へ約1.3kmほどとはいえども、生徒の高齢化や仕事などの都合で通えなくなる恐れや、俊徳中学校の生徒との交流など準備を重ねていたのに市教委が急に方針転換したことへの不満から、生徒からは東大阪市教委の方針に疑問の声が上がっているという。

 朝日新聞では、以下の様な生徒の声が紹介されている。

 4月に入学した中国出身の女性(32)は、毎日工場で夕方まで仕事をし、自転車で約20分かけて通学するが、「これ以上遠くなると、通うのはとても無理です」。6年前から通う尹順祚(ユンスンジョ)さん(83)も「俊徳中の生徒と交流もして、楽しみにしてたんですが、急に話が変わったのは納得できません」と話す。

 東大阪市教委は生徒らの声を受け、近隣の東大阪市立太平寺小学校の校舎を使用して夜間学級を2年間のみ臨時に開設する方針を示したものの、2年後には閉鎖されることになる。

 中学校の夜間学級は、義務教育が受けられないまま義務教育年限を超えた人に対しての学習権の保障から自主的に開設された学校を起源とし、時代が下ると行政が公的に設置するようになった。戦中戦後の混乱などで義務教育の機会が保障されないままになっていた人や、中国残留孤児の家族や国際結婚で来日した人など帰国者や来日外国人への教育保障といった役割が期待されている。

 学習権の保障の問題でもあり、慎重に対応しなければならないのに、東大阪市教委が方針をコロコロと変えて当事者の生徒を不安に陥らせるような対応はいかがなものなのか。丁寧な対応こそが望まれている。