大阪の会社で日常的なヘイトスピーチ、育鵬社教科書採択運動への参加求める行為も

 大阪府岸和田市に本社を置く住宅販売会社「フジ住宅」で、「韓国の国民性は大嫌いです」「うそが蔓延している民族」などと記した、業務とは無関係な内容の業務日報を全従業員に日常的・継続的に配布していたのは、民族差別的なヘイトスピーチでありパワーハラスメントにあたるとして、在日韓国人の従業員が8月31日、同社側を相手取り約3300万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁岸和田支部に提訴した。

 社内では2013年秋ごろから、中国や韓国を蔑視するような内容の新聞・雑誌記事の抜粋や、それを読んだ社員の読書感想文など、ヘイトスピーチに該当する内容の日報が配布されるようになったという。

 また2015年5月には育鵬社の教科書を礼賛するような文書を掲載した上で、2015年7月~8月の中学校教科書採択について、教科書展示会に出向いて育鵬社教科書を採択することを求める文章を書くよう社員に促したという。勤務時間中におこなってもよいとも明記していた。

 従業員は大阪弁護士会に人権救済を申し入れたが、会社側は逆にこの従業員に対して退職勧奨をおこなったという。

 ヘイトスピーチ自体がとんでもないことであり、言い逃れできないほど悪質である。

 また育鵬社教科書は、ヘイトスピーチをおこなう勢力の主張と一致し、そういう勢力がゴリ押ししていることが、改めて浮き彫りになった形になる。大阪府では、在特会系のレイシストが2015年6月から7月にかけて、東大阪市・近鉄布施駅前で育鵬社教科書採択を求める名目での差別的な街頭宣伝を連日おこない、その情報を得たカウンターが駆けつけて抗議する状況もあったが、それに次いで大阪での育鵬社教科書採択運動にレイシストが関与している具体例となった。

 こういう勢力が組織的に育鵬社採択策動をおこなったというのが、極めて異常だし、恐ろしいことである。

(参考)
◎民族差別:職場で文書配布は精神的苦痛、勤め先に賠償提訴(毎日新聞 2015/8/31)
◎育鵬社版教科書の採択運動「強要」 在日韓国人、勤め先提訴(朝日新聞 2015/9/1)