教育振興基本計画を閣議決定

 政府は7月1日、今後5年間の教育行政の目標を定める「教育振興基本計画」を閣議決定しました。


 文部科学省が打ち出していた教育予算増加や教員定数の増加などは盛り込まれず、「諸外国の公財政支出などの教育投資状況を参考の一つとする」「教育を支える条件整備を検討する」など抽象的な表現にとどまっています。
 また国家主義的な道徳教育の強化、学力テストなどの積極的実施による「学力水準向上」、教員免許更新制の積極的活用など、「こんな施策を実行してしまえば実際には導入の意図とは逆の作用しか及ぼさない」というのが明らかになっているような施策を積極的に実施するとしています。全体的にみれば、過剰な競争、自主性を欠いた統制など、望ましくない内容が強化されることにつながります。
 道徳教育については、特定の道徳を押しつけるのではなく、子どもたちが自主的に考え判断するようなものでなければなりません。
 学力向上についても、まずカリキュラムの系統化や精選などをおこなうべきで、系統化・精選の検討なしに闇雲に内容や時間数を増やしても効果はありません。また「学力=テストの点数」と狭くとらえて、学力テストで他者との競争を測るなど全く論外です。
 教員免許更新制についても、本来の意味での「排除されるべき問題教師」に対して効果が薄いのは明らかです。むしろ良心的な教師を抑圧するだけです(こう判断する根拠については、当ブログ2007年3月28日付記事『教員免許更新制の法案を閣議決定』、および当ブログ2006年12月14日付記事『教員免許更新制導入への疑念』を参照)。
 いずれをとっても疑問だらけの内容です。こんな計画が具体化されることには危惧を感じます。