松山市で育鵬社歴史を初採択:愛媛

 愛媛県松山市教育委員会は8月11日の教育委員会会議で、中学校教科書の採択をおこない、社会科歴史的分野について育鵬社を採択した。松山市での育鵬社採択は初めてとなる。公民的分野では日本文教出版が選ばれた。

 松山市では右派教科書支持勢力の策動が続き、2009年・2011年教科書採択でも危ない場面があったものの辛うじて採択を回避してきた状況がある。採択の危険が特に高い地域の一つとみられていた。

 歴史教科書では育鵬社と東京書籍に絞りこみ、教育委員の無記名投票で4対1で育鵬社が採択されたという。育鵬社については「改正教育基本法の趣旨に沿い、伝統と文化、人物などを興味がわくよう、わかりやすく広く取り上げている」などとして推す意見が出された。

 しかし育鵬社の歴史教科書は、神話と史実との混同や、客観的事実を「自虐史観」「反日」などと中傷する立場からの異様な日本の国家体制の賛美、近現代の戦争について日本は正しかったとする立場からの異様な記述、日本国憲法制定過程を「押し付け」と描くなど、誤りや極めて一面的な記述が目立ち、とうてい使えないものである。

 他社の教科書と比較して、育鵬社および自由社の記述の異様さは目立っている。育鵬社・自由社は、普通の教科書とは同じ土俵では論じられるはずもない、異様な政治的主張を記載した文書と言ってよい。

 愛媛県では8月末までにかけて、県立中高一貫校・特別支援学校や県内の各市町村で教科書採択を実施するという。前回採択では、県立学校・今治市・越智郡上島町・四国中央市と、育鵬社が採択された地域が多くある。

 松山市での採択のやり直しを求めるとともに、他の地域でも採択させてはならない。