平和学習の外部講師が校長から途中で講演を止められる

 長崎原爆の被爆者の男性が2014年に長崎県島原市の中学校で平和学習の外部講師として被爆体験を講演した際、校長から講演を止められたうえ、校長から「(資料として使用した)写真はでっちあげだ」「自虐史観だ」などと言われていたことがわかった。当該男性が7月31日に記者会見して事実関係を明らかにした。

 この男性は2014年7月1日、長崎県島原市立中学校で実施された平和学習の講師として、全校生徒約340人を前に講演をおこなった。約60分の講演で自らの被爆体験を話したあと、最終盤に講演の締めくくりとして、旧日本軍の侵略によるものとされる写真パネルを見せて戦時中の日本のアジア諸国に対する戦争責任に触れ、また福島第一原発の事故についても話した。

 その際に校長が「やめてください」と大声で遮ったという。男性は「原発についてもみんなでよく勉強し考えて下さい」としてその場を収めた。

 その直後に校長は、校長室で男性に対して「でっちあげだ」「自虐史観だ」などとも発言した。

 校長はマスコミの取材に対して、平和学習で男性の話を遮ったことや、男性への発言を認めたという。理由については「止めたくなかったが、政治的中立を求められる教育現場として適切ではないと考えて遮った」「一方的に旧日本軍の加害に関する写真を見せれば生徒に偏った歴史認識を持たせてしまう恐れがあると判断した」などと話したとされる。

 表向き「政治的中立」を振りかざしながら、実際は自らが支持する極右的な政治的立場を強引にねじ込んでいるのではないかと思わざるをえない。校長の主張は、育鵬社教科書の関係者・支持派や産経新聞などの極右派の主張と同じ手法をとっていると感じる。

 旧日本軍の加害の事実を異常に敵視して「偏った」「でっちあげ」と一方的に決め付けたり、「自虐史観」という用語を使うこと自体が、極右の政治的主張そのものではないか。

(参考)
◎被爆者講話に中止要請 長崎の公立中学校長(西日本新聞 2015/7/31)
◎被爆者講話 校長が遮る(NHK長崎放送局 2015/7/31)
◎加害責任問題 校長が中止要求(読売新聞 2015/8/1)

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