子どもの小学校でのいじめ被害訴えたことで保護者同士でいじめ受け自殺:栃木・佐野市

 栃木県佐野市で2015年4月、同じ小学校に通う子どもをもつ母親2人が相次いで自殺した。

 2人の母親は仲が良く、自殺の背景にはそれぞれの子どもがいじめ被害を受け、いじめ解決のために対応した母親も「ママ友」からいじめ・嫌がらせを受けて追い込まれた可能性が指摘されているという。

 事件は読売新聞の地域版(2015年7月3日付。ウェブには掲載なし)と一部週刊誌のみの小さな報道にとどまっているが、2015年7月になって報道された。

 事件の舞台となった栃木県佐野市立山形小学校は1学年の児童数が10~15人前後、全校児童も70人程度の小規模校。母親AさんとBさんは、それぞれの子どもがいじめを受けていたという。いじめ解決を求めて動くうちに、母親グループから目をつけられ、母親同士でもいじめを受けるようになった。

 Aさんの子どもが同級生に「旅行に行った」と話をすると、その同級生の母親が「子どもに自慢話をさせるな」と難癖をつけてAさんに怒鳴りこむ。いじめ被害を訴えたBさんに対して、いじめ加害者と指摘された子どもの母親が「てめえの育て方が悪いからだ」と逆ギレして暴言を吐く。また母親らがLINEでグループを作り、2人の母親への罵倒攻撃を繰り返す。――などの、母親グループからのいじめが指摘されている。

 いじめを受けた母親2人は精神的に参っていた様子で、4月16日にAさんが自殺し、葬儀で友人代表として弔辞を読んだBさんも1週間後に後を追うように自殺したという。

 学校や佐野市教育委員会は、LINEでの悪口などは確認したものの、児童間・母親間のいじめともなかったと結論づけた。

 短期間の間に小さな地域で同じ学校に子どもを通わせる保護者2人が自殺すること自体がめったにないことではあるが、しかも全く無関係に偶発的に起きたことではなく、それぞれの原因がつながっていると思われる状況での自殺である。これがいじめでなくて何だろうか。

 母親間のいじめといえども、子どものいじめと密接に関係した原因で発生したものであり、学校は無関係とはいえないのではないか。いじめを解決しようと動くと逆にいじめられるというのは、おかしいのではないか。

 一方でネット上では、母親同士でのいじめをおこなった加害者グループの首謀者格は、地元の公立中学校の美術教師だとも指摘されている。また地域ぐるみで、マスコミ取材に対して余計なことをしゃべるなとする圧力があるとも指摘されている。地域ぐるみの隠蔽工作もあるのではないか。