所沢市「育休退園」で追加提訴

 埼玉県所沢市で、下の子が生まれて母親が育児休業を取得した場合、保育園に通園している上の子どもを原則として退園させる「育休退園」は不当だとして保護者らが差し止めを求めている訴訟で、7月2日付で新たに7人の保護者が追加の提訴と仮差し止めを申し立てた。

 原告は6月25日付で提訴した11人と合わせて、計14世帯・18人となる。

 所沢市は「待機児童を減らす」を口実としている。一方でいわゆる「3歳児神話」を持ち出したり、保育所増設についても消極的となっている。

 子どもにとってもこれまでの生活環境から強制的に切り離されることで、発達の過程に影響があることになる。また母親にとっても、心身の負担が強くなることで、子育て環境にも影響があるのではないか。

 また待機児童の問題はこれらとは別で、本来行政が責任をもって解決すべき問題なのに、「育休退園」を持ち出すことで保護者同士の対立・分断を図ろうとしているのはないかとも感じる。

 実際に『産経新聞』2015年7月1日の記事『所沢市の育休退園に広がる波紋 少子化対策に逆行・譲り合いを』のように、明らかに分断を図っているとしか思えないという論調もある。保育士要請にかかわる大学教員の「待機児童が多く、保育士が不足する中で、全員が権利を主張したら立ちゆかない。育休中に自宅で保育ができる人は譲り合いの精神で、働かなければならない人に譲ってほしい」という談話を紹介し、反対するのは一部のワガママな保護者のように印象付けようとするなど、どういうことなのか。

 この問題は「譲りあい」で解決できるような性質の問題ではない。そもそも十分な枠があり待機児童が生まれないようにする行政の施策こそがまず最初にあるべきもので、育休退園にしても待機児童にしても、誰かにしわ寄せを与えても解決しないものである。

(参考)
◎「育休退園」訴訟、7人が追加提訴…所沢(読売新聞 2015/7/3)

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