社会科夏季学習で自衛隊実弾演習見学会、参加希望者募る:横浜の中学校

 横浜市緑区の横浜市立中学校で、1年生の希望者を対象にした社会科の夏季学習として、自衛隊の実弾演習の見学を募集する文書が配布されていたことがわかった。『しんぶん赤旗』2015年6月25日付が報じている。

 横浜市の公立中学校では2011年より、社会科公民的分野の教科書で育鵬社版が採択されている。文書では、同教科書の「自衛隊は日本の防衛に不可欠」などの記述に沿い、見学会では日本国憲法の平和主義を学ぶと位置づけ、陸上自衛隊が毎年8月に公開している東富士演習場(静岡県)での実弾射撃を見学するとしている。

 さらに「自衛隊や米軍について関心を持ち、平和を守るためにはどのような方策がとられているかについて意欲的に調べようとしているか」「自衛隊が平和を守る組織として充実している事実を理解しているか」と、評価の観点も示している。

 校長は文書について「社会科担当教員が持ってきた文書。学習指導要領に沿っているから了承した」などと話したという。

 特定の政治的見解に沿ったことを一方的に記載するような、育鵬社公民教科書の弊害が現れている実例だといえる。しかも公民的分野は3年で学習することになっているが、1年のうちから育鵬社教科書に沿った形で、3年間の中学校社会科学習の積み重ねなしに「先取り学習」させている形にもなっている。

 自衛隊については、政治的な位置付けについて論議があるものである。また軍事一辺倒の視点での平和維持ととらえさせるような扱いは、日本国憲法の理念からいっても極めて一面的でもある。これでは、特定の考え方を生徒に押し付けようとするだけなのではないか。

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