「難関大学」進学者に奨励金:週刊朝日がその後を記事に

 鹿児島県伊佐市が市内の鹿児島県立大口高校の志願者増加策として、旧帝国大学など特定の「難関大学」に進学した生徒には100万円、その他国公立大学などに進学した生徒には30万円の奨励金を支給すると、2014年11月に発表した。その後の動きを、『週刊朝日』2015年6月19日号「東大合格に100万円 あの高校はどうなった?」が記事にしている。

 制度は2015年の受験生より適用され、初年度は100万円支給の対象になった九州大学への受験者は2人いたが合格には至らなかったという。鹿児島大学など30万円支給の対象となった大学には18人が合格し、奨励金が支給された。

 対象となった受験生からは経済的に助かったという声が紹介されている。確かに受験生個人としては助かるだろう。しかし、この措置は奨学金とは似ているようで全く違う発想から出発したものであり、そのまま肯定するわけにもいかない。

 学びたくても経済的理由で断念する生徒が出ないようにするための奨学金充実や学費の減免・値下げなどの措置は、学習権として強く求められている。しかしそもそも、奨学金的な制度ならば、進学先を指定したり、進学先によって扱いに差をつけるのがおかしい。

 伊佐市の措置は、大学受験難易度やいわゆる「難関大学・有名大学」への進学者数という一辺倒の視点で物事を判断しているという根本的な誤りがある。特定大学や、特定大学への進学者が多い高校が「格上」という発想で、特定大学を指定してその大学への進学者を増やそうという、公教育にあるまじき発想である。

 記事では国公立大学志願者や新入生の進学希望者が増えたとして、「論争をよそに、志願者増に向けて地元はさらなるPR活動に力を入れるのだった」と結んでいる。いやはや、なんともという感じではある。

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