「体罰」で解雇は不当と元私立小学校教員が提訴:東京

 東京都の成城学園初等学校(小学校)で1年を担任していた時、クラスの児童の喧嘩を止めさせようと児童1人を木にくくりつけたとして「体罰」で解雇されたことは不当として、元教員の佐藤信一氏(57)が解雇無効を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが、6月10日付の産経新聞ウェブ版『けんかした児童を木にくくりつける→解雇 「体罰ではない」無効求め元私立小教員が提訴』で報じられている。

 この手の記事では珍しく、当該教員の実名・顔写真入りの報道である。

 事件は2014年5月に起きた。記事や佐藤氏が開設しているウェブサイトによると、担任するクラスで児童5人がケンカする事件が起き、仲裁にはいったものの、1人の児童がさらに興奮して別の児童につかみかかろうとしたことから、佐藤氏がそばにあった遊具の縄跳びのひもで児童の手をそばの木にくくりつけたという。

 学校側は、この行為を「体罰」として、また以前にも同氏が「体罰」を繰り返して処分を受けていたことも加味し、普通解雇扱いとした。

 佐藤氏は自分の行為は「不適切行為として反省しているが『体罰』ではない」と主張し、処分無効を訴えているという。

 これが「体罰」でないとすれば、何を「体罰」というのだろう。佐藤氏は文科省の指針を持ちだし、必要な有形力行使だから「体罰」ではないとも主張している。文科省の不適切な指針がこういう形で悪用されるのもおかしなことだし、そもそも木にくくりつける必要はあるのか極めて疑問である。

 「体罰」正当化の典型的な主張で、この論理の組立には滋賀県立野洲養護学校事件(2010年)での教職員組合の弁明や、神戸市立小学校障害児虐待懲戒免職事件(2012年)などとも共通するものも感じる。