狭い意味での「実学」偏重か:文科相通知

 共同通信で、国立大学のあり方について気になる記事があった。

国立大の教員養成系など見直しを 中期目標で文科相通知

 下村博文文部科学相は8日、全国の国立大に対し、次の中期目標を策定する際、教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院のほか、司法試験合格率が低い法科大学院について、廃止や見直しに取り組むよう通知した。

 文科省は背景に少子化や人材需要の変化などを挙げ、「地域のニーズを踏まえて、各大学の目標に沿った見直しをしてほしい」としている。

 中期目標は各国立大の運営指針で、次に策定するのは第3期に当たる2016~21年度の6カ年分となる。

 文科省は以前から、各国立大に対して自分たちの特色を明確にするよう求めていたが、あらためて特色を踏まえた組織改革を要請した。
2015/06/08 18:12 【共同通信】

 これはいわゆる文系軽視、直接的なノウハウだけを重視するような狭い意味での「実学」偏重とも取れるような、乱暴な発想ではないか。

 幅広い教養などを抜きにした、単に実務や手順だけを重視した狭い意味での「実学」は、時代の流れで新しい技術や実務などが開発されたり、また今までの定型的な業務からみて「想定外」のことが発生した時には、対応する能力が著しく弱くなるのではないか。

 人文社会科学などは即効的に「儲けに結びつく」などの意味で役に立つという場合は少ないのかもしれない。しかし「本質を見る目」を養うことが、巡り巡って新しい状況を分析し対応する力となるようなものだろう。

 大学の一部を「職業学校」化するという話もあるが、それを軌を一にした教養軽視・学問軽視の俗物的な方針ではないかと、気がかりである。