全国学力テスト、実質的に学校別ランキング公表も

 『asahi.com』2008年4月11日付『全国学力調査、透けるランキング 各校HPで結果公表』によると、一部の自治体で全国学力テストの平均点を「学校ホームページでの、その学校の平均点の公表」という形でその自治体内の全学校で公表し、事実上学校の序列化が可能となっているケースがあることが分かりました。


 記事で指摘されている自治体だけでも、栃木県宇都宮市・東京都墨田区・広島県福山市で、教育委員会が各学校に対して平均点公表を指導し、実際に発表されているということです。
 文部科学省ですら建前上は序列化を懸念して「自治体として、学校の名前を挙げての学校別平均点の公表は望ましくない」という見解を示しています。しかし「すべての学校で学校平均点を公表する→その自治体の各学校のサイトをすべて閲覧しデータを比較すれば、その自治体での学校別順位が容易に分かる」という形になっています。
 このような措置をとった教育委員会はいずれも「公表は指導したが、最終的には各学校の判断」という見解をとっています。しかし、実質的には、文部科学省の指導に対する抜け道としての方策だといえます。
 重要なのは学校別の平均点ではなく、児童・生徒個人の到達度です。平均点は「問題そのものの難易度の指標の一つ」程度の意味でしかありません。児童・生徒一人一人を無視して平均点にばかり目が向けられることで、教育に様々なゆがみが生まれることはいうまでもありません。
 また学力は一つの学力テストだけで計測できるようなものではなく、もっと広い概念です。学力の一部分にしか過ぎない全国学力テスト、しかも平均点を過剰視して、学校評価の材料にするなどは全くのナンセンスです。
 このような形での学力テスト結果公表がおこなわれることで学校序列化につながり、学力向上、ひいては学校教育全体が、狭い意味での「テスト成績向上」に矮小化されることが危惧されます。