2015年中学校教科書採択、社会科教科書の問題

 2015年は、4年に1度の中学校教科書採択の年にあたる。各地で7月から8月にかけて教科書採択がおこなわれ、2016年度以降4年間の中学校教科書が採択されることになる。

 教科書採択に先立ち、採択対象となる教科書の展示がおこなわる。採択対象となる教科書の法定展示期間は文部科学省の告示により6月19日から14日間となっているが、自治体によっては法定外展示として、自治体の判断で教科書展示を実施している場合もある。早い地域では6月上旬より法定外展示が始まった。

 中学校教科書採択にあたってこの10年来深刻な問題となっているのが、中学校社会科歴史的分野・公民的分野での、いわゆる「新しい歴史教科書をつくる会」系極右教科書の扱いである。

 10年前の2005年以降、2009年・2011年と過去3度の教科書採択で大問題となり(09年・11年は学習指導要領改訂の関係で2年おきの変則的な採択となった)、今回も採択推進勢力の乱暴な策動が予想される。今回の教科書採択の対象となる教科書でも、「つくる会」が主導権争いで分裂した育鵬社・自由社の2社からそれぞれ、歴史・公民の教科書が発行されている。

 この2社の教科書は、基本的には4年前2011年版の記述の方向を踏襲し、先の戦争を肯定的に描く、基本的人権の軽視など、特異な立場に立った記述を貫いている。

 一方で、今回から興味深い教科書も新規参入している。「学び舎」が発行する中学校社会科歴史的分野の教科書である。近現代史での太平洋戦争の記述が、他社の教科書と比較してかなり詳細に書き込まれたつくりとなっている。「つくる会」系極右教科書のきな臭い動きもあるが、一石を投じられるかも注目である。

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