全国体力テストにも参加保留:愛知・犬山市

 文部科学省が2008年度から悉皆調査での実施を予定している「全国体力テスト」(全国体力・運動能力・運動習慣等調査)について、3月24日までに参加するかどうかの回答を求められていた愛知県犬山市教育委員会は「保留」と回答しました。教育委員会で否定的な意見が相次いだため、今後の教育委員会で議論して態度を正式決定するということです。


 従来も体力テストは実施されていましたが、全国規模での体力テストは従来は抽出調査でした。しかし08年度からは悉皆調査に変更されるということで、「体力低下の傾向は今までの調査で明確なのに、悉皆調査の意味が見いだせない」「全国学力テストと同様、学校格差・地域格差を招く」などの否定的な意見が出されたということです。
 全国規模で悉皆調査をすることは全くの無意味です。児童・生徒一人一人の状況を把握するのならば、普段の体育の授業や校内での体力テストなどで十分です。全国的な傾向を知りたければ抽出調査で十分です。
 悉皆調査にすることで、学校間・地域間の平均値を算出して学校間・地域間の競争をあおり、体力テストの成績向上が自己目的化した小手先の対策や不正が横行する危険性もあります。実際に全国学力テストでは同様の不正やゆがみが横行しているので、体力テストでも同様のことは発生するでしょう。体力テストにしても学力テストにしても、問題は平均値ではなく、一人一人の状況であることであることはいうまでもありません。
 体力テストでわざわざ全国規模の悉皆調査をおこなうことは無意味であり、むしろ害の方が多いものです。悉皆調査の必然性はどこにもありません。