「体罰」賠償金なすりつけ訴訟で判決:仙台高裁

 福島県郡山市立行健中学校で2001年に発生した、教師の対生徒暴力事件(いわゆる「体罰」事件)の損害賠償金の負担をめぐり、福島県と郡山市が争っていた訴訟で、仙台高裁は3月19日、一審判決を破棄して郡山市が全額負担するよう命じる判決を出しました。


 この事件では生徒が起こした訴訟に対して、2004年に福島県と郡山市が連帯して損害賠償を命じる判決が出ました。控訴審で郡山市とは和解が成立しましたが、福島県とは和解が決裂したため、裁判の細かい規定や手続きにより福島県の賠償責任だけが確定しました。そのため福島県から生徒側に賠償金が支払われました。
 しかし福島県は、生徒に支払った賠償金相当額を郡山市に請求して訴訟を起こしました。一審福島地裁では2007年10月、県と市の責任割合を1:2と判断して、郡山市に3分の2相当額を負担するよう命じる判決を出しました。福島県は「市が全額支払え」として、また郡山市も「市に負担責任はない。県が全額支払うべき」としてそれぞれ控訴していました。
 仙台高裁では県の責任を限定的にとらえ、直接の管理責任は市にあるとして、市に全額負担するよう命じる判決としました。
 しかし不毛な訴訟です。具体的な負担割合はともかく、県と市の両方にそれなりの賠償責任があると考えるのが一般的な感覚ではないかと思います。お互いに「相手が全額支払え」として不毛な訴訟をおこなうことで、賠償金相当額の何倍もの裁判費用がかかっているのではないかと思います。裁判費用の元になっているのは税金だということを考えると余計に不毛です。元をたどれば教師の暴力なので、請求するのなら国家賠償法に基づいて加害教師個人に請求すべきではないかと感じます。