県独自に高校日本史「必修化」、その波紋:神奈川県教委

 神奈川県教育委員会が独自に、日本史を県内の全県立高校で必修とする案を示していることについて、あちこちで論じられています。


 神奈川県教育委員会の思惑は、総じて見ると「偏狭なナショナリズム・愛国心」に基づいたものであると考えられます。もちろんこういう思惑からの策動は極めて危険であり、警戒が必要なことはいうまでもありません。
 また大学受験という観点から「日本史の方が世界史より受験科目として人気がある」という意味で必修にするという別の考え方についても、支持できるものではありません。
 だからといって日本史学習を否定するものではなく、日本史・世界史・地理・公民ともに幅広く学んで広い教養・総合的な学力を身につけることこそが必要だと考えられます。学習指導要領や各教育委員会の裁量で必修と指定するかどうかはともかく、各学校の判断で幅広く学ばせるカリキュラムを組むこと自体は極めて重要だといえます。
 「偏狭な意味での“愛国心”教育という誤った思惑を打ち破り、民主主義社会にとってふさわしい力の形成という点から現場での取り組みを発展させられるかどうか」という点がカギとなるような気がします。