虐待情報漏らした校長を訓告:兵庫・三木市

 兵庫県三木市立小学校で、虐待の兆候がみられた児童を学校が発見して児童相談所に通告し、児童が保護された問題がありました。その際、保護児童の父親から相談を受けた市議に対して、校長が保護の経過を漏らした問題がありました。この問題について三木市教育委員会は、不適切言動として校長に訓告処分をおこないました。

 この事件では、校長が「虐待と判断したのは養護教諭」と市議に漏らしたことから、市議から話を聞いた父親が、養護教諭への面会を求めて脅迫めいた電話を学校にかけたり、オープンスクールの際にビデオカメラを回しながら校内で養護教諭を捜し回るなどしました。養護教諭は父親と直接対面することはありませんでしたが、恐怖による精神的ストレスから体調を崩し、休職に追い込まれてしまったということです。

 当然のことながら、虐待を判断した養護教諭には全く非がありません。むしろ、児童福祉法などの理念に沿った適切な対応です。校長の対応は、法律の理念からいっても、また何の非もない養護教諭を理不尽な目に遭わせたという意味でも、極めてまずい対応です。

 校長の行為について、兵庫県教委は「公務員の守秘義務違反には当たらない」と判断して地方公務員上の懲戒処分を見送り、行政処分である訓告処分をおこなうよう三木市教委に指示したということです。処分の軽重については何とも言えません。しかし少なくとも、校長個人への処分だけで解決としてはいけません。「事件を教訓にして、同種の事件を決して再発させてはならないという立場に立つことを徹底する」ということが重要ではないでしょうか。

 また父親から相談を受けた市議についても、こういう理不尽な要請は受けてはいけません。報道では市議の名前が伏せられていますが、市議の名前を実名で報じて、三木市民には次の選挙の判断材料にしてもらうべきではないかと思います。

訓告処分:三木市教委、児童虐待の情報の扱いで小学校長を /兵庫 (『毎日新聞』神戸版 2008/2/23朝刊)
 三木市内の市立小学校で児童虐待にかかわる情報の扱いに問題があったとされる校長に対し、三木市教委は22日、「不適切な言動があった」として20日付で訓告処分にしたことを明らかにした。
 校長は昨年7月、父親から虐待を受けた疑いのある女児を県子どもセンターが一時保護した際、父親の知り合いの市議に「カウンセリングに養護教諭も立ち会った」と説明した。市教委はこの発言が公務員の守秘義務違反に当たるとして県教委に報告していた。
 県教委は、この発言が通告者や児童の保護を判断した者を特定させる情報ではなく、地方公務員法上の守秘義務違反に当たらないと判断したものの、校長としての対応が不適切だったとして訓告処分を示し、市教委が執行した。【南良靖雄】

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