何のための裁判なのか:学力テスト学校別成績開示訴訟

 文部科学省が実施した全国学力テストの学校別成績を大阪府枚方市が非開示処分にしたのを不服として、「枚方市民オンブズ・パーソン」代表で行政書士の男性(38)が2月12日、市立中学校19校の学校別平均点の開示を求める行政訴訟を大阪地裁に起こしました。

 この原告は以前にも、枚方市独自の学力テストの学校別成績の開示を求めて訴訟を起こした経験があります。以前の訴訟では一審大阪地裁・二審大阪高裁とも原告側勝訴の形となり、枚方市は納得できないとしながらも「裁判では勝訴の見込みがない」と判断して上告を断念して開示に応じたという苦い過去があります(参考:当ブログ2006/8/3『学力テスト学校別成績、非開示処分取り消し判決:大阪地裁』、2007/2/26『学力テストの学校別成績を公開:大阪府枚方市』)。
 原告は『「学校別の成績が分かれば、生徒や保護者に自分たちの学校の課題を改善しようとする動きが生まれるはず」と主張している。(『朝日新聞』2008/2/13)』としているということです。しかしこのような主張は全くあたりません。この手の主張は「机上の空論的な主張ではないか」とすら感じます。
 学校別の成績公表では「自分たちの学校の課題を改善しようという動き」どころか、逆に学校の教育活動・ひいては学校の価値そのものを「学力テストの学校別平均点」と同一視し、学力を「テストの点数」に矮小化して試験対策ばかりがおこなわれて教育活動にゆがみが出るというのは、学力テストの学校別成績を公表している地域で実際に起こっていることです。
 一般的な意味での情報開示ならば否定しませんが、学力テストの学校別成績などは一般論の範疇にはおさまりません。むしろプライバシーに準じる扱いをしなければならない情報で、公開すると害しかもたらさないものだといえます。
 今回枚方市教育委員会が非開示にしたことは支持できますし、訴訟についても枚方市側の主張を支持したいと思います。訴訟では適切な判断がなされ、開示を認めない判決が出されることを願います。

スポンサードリンク