大阪市解体で児童相談所業務停滞の危険性

 大阪市を廃止・解体して現市域を5つの特別区に分割するいわゆる「大阪都構想」で、推進側は「5特別区ごとに児童相談所を作ることで対応が充実する」と主張している。

 しかしこれは、全く保障がない絵空事である。

 大阪市では児童相談所は1ヶ所で、2016年度中に増設の予定が組まれている。大阪市では西淀川区の虐待死事件(2009年)、西区の児童放置死事件(2010年)など、社会的にも問題になった重大な児童虐待事件が発生したことから、市として児童相談所の体制を強化してきた経緯もある。

 一方で5特別区ごとに児童相談所を作るといっても、財源の確保の問題がある。新特別区では直接区に入る財源は4分の1になり、大阪市に入っていた税収の大半は大阪府へ入ってから交付金として再分配されることになる。しかし特別区設置の「協定書」では再分配の具体的な割合については明記されていない。首長の対応など政治的な要因で交付率が恣意的に変えられる危険性もあり、思うように財源が入ってこないことになる。

 財源がなければ、児童相談所増設が白紙になったり、後回しになる危険性もある。

 また児童相談所の業務はデリケートな内容を扱うことから、職員にも高い専門性が必要になってくる。他地域からの「引き抜き」など困難で、専門職を含めた職員の計画的な養成とノウハウ蓄積が必要になってくる。これは大阪市のままで、児童相談所の数や携わる職員数を増加させたほうが、スムーズに行くものではないのか。

(参考)
◎OSAKA都構想:/13 児童相談所はどうなるの?(毎日新聞 2015/4/23)

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