全国学力テスト成績で内申点補正方針:大阪府教委

 大阪府教育委員会は4月10日の教育委員会会議で、府内の中学校3年生について、高校入試での成績評価(いわゆる内申点)に全国学力テストの成績を反映させることを決定した。現在の3年生が高校を受験する2016年度入試から適用される。

 4月16日に市町村教育委員会向けの説明会をおこなったが、教育委員会関係者からはこの方式を懸念する声が出たという。

 新方式では、高校入試での調査書の成績評価(いわゆる内申点)が絶対評価になることに伴い、学校間・担当教員間で成績評価の偏りが出ないように、全国学力テストの学校平均点を目安にして一定範囲内に評価平均を収めるように成績評価をおこなわせる。生徒個人の成績に直接反映するわけではないが、学校の平均点によって内申点の評価が補正される形になる。

 従来の方式が完全だったというわけではないが、新方式には従来よりも著しい問題が生じることになる。全国学力テストを本来の用途外に使用し、学校間競争やテストの平均点対策一辺倒の教育を強めることになることである。

 全国学力テストはそもそも、学校間・地域間の競争と序列化を目的に導入が図られたものであるが、教職員や住民の反対・懸念の声に押され、また国会の議論でも追及され、導入の際には表向き学力状況の把握として導入されることになった。

 しかし学校別・地域別の順位や平均点に一面的にこだわり、学校間・地域間の競争や序列化を図ろうとする傾向は後を絶たない。学力対策が「テストの平均点や順位を上げるための対策」に矮小化されてすり替えられ、類題や過去問ばかりを解かせる対策がおこなわれるなどの事例も起きている。また、市町村・行政区・学校別の平均点を公表しようとする動きや、公表された平均点をネタに当該校や校区地域を貶めるような中傷がおこなわれたなどの事例も発生している。

 大阪府で全国学力テストの成績を高校入試に反映させるとなると、テストの平均点をあげて内申点に反映させるための一面的なテスト対策が大々的におこなわれる危険性もある。またテストの平均点が中学校や校区への一面的な評価につながり、地域社会にも悪影響を及ぼす危険性もある。

(参考)
◎「内申に学テ活用」へ懸念の声…市町村教育長ら(読売新聞 2015/4/17)

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