日の丸・君が代での再雇用拒否は裁量権の逸脱:東京地裁

 都立高校の卒業式で「日の丸・君が代」を拒否したことを理由に、職務命令違反として処分された上に定年後の嘱託教員としての再雇用を拒否されたのは違法だとして、都立高校の元教職員ら13人が東京都を訴えていた訴訟で、東京地裁は2月7日、「再雇用拒否は裁量を逸脱している」として、東京都に総額約2700万円の損害賠償を命じました。

 一方で、原因となった起立・斉唱の職務命令自体は合憲と判断しました。
 職務命令自体が思想信条の自由や国旗・国歌法の趣旨などに反して違憲・違法のものだといえ、職務命令の違憲性・違法性が認められなかったのは不十分で残念だといえます。一方で、再雇用拒否を裁量権の逸脱としたことは、常識的な判決だとはいえども、画期的な判決だといえます。
 そもそも日の丸・君が代に関する考え方は、教職員の教育活動には何の関係もありませんし、生徒に何の有害な影響も与えません。また教職員自身の思想信条を生徒に押しつけているわけでもありません。
 日の丸・君が代の強制・強要を図ろうとする勢力は、自分たちに従わないことが反社会的行為かのように言い立てますが、こういう主張には根拠は全くありません。単に「自分の意に沿わないものは有害」と言っているに等しい、非論理的・感情的な主張に過ぎません。
 東京都の間違ったやり方を一部とはいえども断罪した今回の判決は、限界はありますが有意義なものといえるのではないでしょうか。