犬山市長、教育委員増員示唆:全国学力テスト導入作戦か

 愛知県犬山市の田中志典市長は1月25日、市の教育委員を増員させることを示唆したということです。


 犬山市では全国学力テストへの不参加を決めている背景があることから、全国学力テスト参加推進側の市長が巻き返しを図り、参加推進派の教育委員を増員させることをねらっているものだとみられます。
 市長は記者会見で、「今の教育委員会は瀬見井久教育長の独裁体制。(教育委員の定数の)バランスを崩す必要がある」などと発言したということです。しかしこの発言は全く穏やかではありません。
 教育委員を増員することについては、あくまでも一般論の範疇では、適切に検討されることも否定はしません。しかし、自らの意向を一方的に通そうとする手段として自分の意中の教育委員を増やすと受け止められかねない発言や、「独裁体制」などと教育長を中傷しているとも受け止められるような発言をするのは、行政としていったいどうなのだろうかという気もします。
 全国学力テストについては世論の根強い批判や反対もあり、推進派だからといって一方的に押しつけるのも不適切です。全国学力テストにかかる問題点をていねいに検討して、適切な対応をとることが世論に沿った対応だといえます。

教育長批判、委員増を示唆 学力テスト対立の犬山市長(「共同通信」2008/1/25)
 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の不参加をめぐり、市長と教育委員会側が対立している愛知県犬山市で、参加を推進する田中志典市長は25日、記者会見で「今の教育委員会は瀬見井久教育長の独裁体制。(教育委員の定数の)バランスを崩す必要がある」と述べ、教育委員を増員させることを示唆した。
 現在犬山市教委の5委員のうち、3人が不参加を決めた委員。昨年12月、市長は改選などに合わせて、自らの立場に近い2人を委員に任命した。増員は市長寄りの委員を増やし、全国学力テスト参加に結び付ける狙いがあるとみられる。
 田中市長は会見で、委員数の上限を撤廃した改正地方教育行政法が4月から施行されるのに合わせて、3月の市議会に委員増員の条例案を出すこともありうるとしたが「議会と相談しないといけない」と明言は避けた。