大磯町中学校給食問題の「その後」

 神奈川県大磯町の配送弁当方式の中学校給食が「生徒から不評。残食率が異常に高い」「異物混入事案も相次いでいた」と大きく報じられた事件があった。

 大磯町が中学校給食の休止に踏み切ってから約1ヶ月がたった2017年11月24日に神奈川新聞が、休止後の状況について取材した記事『大磯・中学給食休止1カ月 騒動沈静も“後遺症”』を出した。

 記事では大磯町での中学校給食問題の経緯を紹介した上で、「その後」についても紹介している。

 大磯町では2016年1月、全員喫食制の配送弁当方式で、中学校給食が導入された。自校調理方式については「コストがかかる」と見送られ、初期費用が安く済むとしてデリバリー方式で導入した。

 しかし大磯町での中学校給食は「おかずが冷たい」「味が薄い」などと不評で、残食率が毎日4分の1以上、多い日は半分以上と、全国平均の4.6%を大きく上回る状況となった。また異物混入事案も相次いで発覚した。

 町は当初は、それまで委託していた業者に引き続き委託させる意向を示していた。

 一方で業者側が、取引先の別の幼稚園などに対し、「給食反対派のリークで騒ぎになった」「(完全給食は)半ば強制的に始まった」など責任転嫁と受け取れるような文書を配布していたことも明らかになり、この業者が委託を請け負っていた他地域での契約にも影響が出た形になった。

 それらの状況があり、最終的には業者が町に対して委託継続断念を申し入れる形で契約を解消した。

 町は2017年10月、中学校給食は当面の間選択制にして、家庭弁当の持参も認める方針へと転換した。しかし給食問題が大きく報じられた影響なのか、新たな調理業者3社にデリバリー弁当給食の委託を交渉したものの、いずれも不調に終わっている。そのため、中学校給食は休止状態になっている。

 町は2018年度予算案に、給食の提供方法の調査・研究費を計上する方針だという。

 この問題は、給食導入ありきで、質の問題を考慮せずにとにかく初期費用が安いからと、安易にデリバリー弁当方式に飛びついたから発生したものではないか。しかも問題が発覚しても、改善を図らずにデリバリー弁当方式に固執したことが、生徒からの不満を増大させたともいえる。

 あまりにも不評の声が強まり、マスコミで大きく取り上げられるに至ってようやく方針転換したものの、安易な判断をして混乱させた「後遺症」はしばらく続くと見込まれる。

 初期費用はかかっても、自校調理や、少なくともセンター方式・親子方式の導入を追求すべきではないか。