北海道高校生自殺:学校のアンケート内容開示命じる決定

 札幌市内の北海道立高校1年だった男子生徒が2013年3月に自殺し、所属していた吹奏楽部の顧問からの不適切な叱責が背景にあったとされる問題では、遺族側が北海道を相手に約8400万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こし、審理が続いている。

 この訴訟に関連して、札幌地裁が北海道に対し、自殺直後に学校が生徒に実施したアンケートを裁判の証拠として提出するよう求めるよう命じる決定をおこなっていたことがわかった。

 北海道は提出に反対したが、札幌地裁は「個人情報を隠すなどすれば、教育行政上の支障があるとは言えない」と退けた。

 北海道は決定を不服として抗告をおこなった。しかし札幌高裁の審理では、地裁決定を支持する見通しとなった。そのため北海道は、記入した生徒の個人情報を伏せ、また筆跡で個人が特定されないようパソコンで打ち直す形で、遺族側にアンケート内容を開示した。

 この事件では、2013年1月に吹奏楽部の生徒間のトラブルに対し、顧問教諭が「自殺した生徒が一方的に悪い」扱いでこの生徒のみを指導した上、全部員の前で謝罪させられるなどの「指導」があったという。また2013年3月にも顧問から叱責を受け、翌日に札幌市営地下鉄の線路に飛び込み自殺した。自殺直前「叱られた内容に心当たりはない」とするメールを、吹奏楽部の部員に宛てていたという。また生徒は自殺前日、「顧問から『もう誰とも連絡をとるな、行事にも参加しなくてもいい』と言われた」と母親に訴えていた。

 真相究明のためには、記入者の個人情報への配慮は必要とはいえども、学校側が実施したアンケートの内容を遺族側に開示することも必要ではないかといえる。

 これまでのいじめ自殺や「体罰」事件・「指導死」など学校関連の問題では、事件調査のために学校側が生徒に対して実施したアンケートが開示される事例はあまり例はなかったと聞くが、このような方向性が定着するのならば望ましいといえるのではないか。

(参考)
◎生徒アンケートの提出命じる 高校生自殺めぐり札幌地裁(朝日新聞 2017/11/26)
◎息子の死から4年半…アンケートに「部活で孤立」の様子(朝日新聞 2017/11/26)