頭髪指導、大阪府立高校への調査まとめる:大阪府教育庁

 大阪府教育庁は11月29日、生徒の髪の毛の色の指導などについて、府立高校を対象にした調査の結果を発表した。

 大阪府立懐風館高校(羽曳野市)の女子生徒が、「生まれつき茶色い髪の毛を黒く染めるよう、学校から強要された」として提訴した問題を受け、大阪府立高校での頭髪指導の実態を把握するために調査をおこなっていた。これまで大阪府教育庁では、府立高校の頭髪指導の実態については各学校に任せ、府としての統計は取っていなかったという。

 全日制府立高校137校のうち109校が、地毛の色が黒ではない生徒に対し、口頭や文書での申告・届け出を求めていた。全高校のうち約79.6%が、頭髪の色の届け出を求めていたことになる。

 109校のうち口頭での申告は74校、文書提出は35校あった。文書提出を求めた高校のうち3校は、幼少時の写真など元の髪の色がわかる写真の提出も求めていた。

 また過去3年間に髪の色やパーマなど頭髪での指導をおこなった学校は84校あり、髪の毛の色を戻させる指導や、戻すまで授業や行事などへの出席制限をおこなった学校もあった。

 大阪府教育庁では、校則や指導方針については、不適切と思われるものは確認できなかったとした。その上で、各生徒や保護者の納得を得る形で進めるべきとした。

 そもそも、生まれつきの髪の毛の色にケチをつけること自体が、重大な人権問題である。この点を見据えて、ここから始めなければどうしようもないのではないか。

 「黒髪だけがふさわしい」との思い込み・固定観念で、地毛の生徒にも黒く染めるよう強要した。地毛だと訴えても全く聞き入れずに繰り返し染髪を強要し、染髪料によって頭皮がかぶれるなどの健康被害・学校から排除する不利益・これらの措置による精神的ショックを与えた――これが訴訟の経過である。

 またこれは、各学校だけの問題ではない。社会的に「染髪=不良」という固定観念が強いことで学校の評判を左右して生徒募集に影響が出るのではないか、また卒業生の進学・就職に影響が出るのではないかとする風潮がある。さらに大阪府特有の事情として、教育基本条例による教職員締め付けや「3年連続定員割れは廃校検討」の方針による生徒獲得競争の激化などもある。各学校の枠の中だけではない様々な要因も複雑に絡み合っている。そういうところについても目を向けていく必要がある。

(参考)
◎地毛が黒くない生徒の髪色確認、大阪府立高の8割実施(朝日新聞 2017/11/29)